考えるのをやめた

3年ちょっと前、とある事件をきっかけに僕は考えるのをやめた。
当時は何が起こったのかすら理解できず、ただただ呆然と過ごしていた。
それから半年程して「俺はなんで働いてるの？」「どうしていきてるの？」なんて事を考え出した。
そして導き出された答えが「考えるのをやめる」だった。
何も考えずただただ生きて
腹が減ったから食事を取る
食事を取るのに金がいるから働く
働いて疲れたから寝る
ただそれだけ
この3年程ずっとそうやってきた
気がつけば趣味で集めていた物も全て処分していたし、テレビも壊れて画面が映らない。
電話帳やLineも会社関係者以外は誰も居なくなった。
食器も今やマグカップと茶碗と箸が一膳あるだけ。
淋しさすら忘れかけていたのだが、先日仕事の空き時間に気がつくと思い出深い場所で一人座っていた。
いくら考えるのをやめても、心を殺して生きていく覚悟を決めても、身体がその場所を覚えていた。
幸せだった日々はもう戻ってこない。頭では理解しているのに何故そこに行ってしまったのだろうか？
人間とは皮肉な生き物だとつくづく思う
でもそれが「人間らしさ」ってやつなのかな？
まだ人である事を捨てきれないうちは、生きていくしかないのかな？

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