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【ニュースの見解】 空き家売買仲介手数料アップの意味

 2024年5月22日付の日本経済新聞(ウェブでは5月21日に速報)に「放置空き家の流通促す 国土交通省、仲介料上限上げ」という記事が出ました。この記事が出る少し前に、こうした方向性を検討していることを個人的に関係者から耳にしていましたので、このニュースに関する私なりの見解を示していきたいと思います。なお、この記事については基本的に関係者・プロ向けということを念頭に有料記事としました。

 さて、まずは簡単に記事の内容を確認しておきます。国土交通省が不動産仲介事業者の受け取る仲介手数料の上限を18万円から30万円に引き上げ、その特例の対象である「低廉な空き家」の売却金額を400万円以下から800万円以下に引き上げるなどといった内容です。これらの措置により、空き家の流通を担う不動産仲介業者に経済的なインセンティブを与え、空き家の流通を促す効果を狙ったものです。

 問題となるような空き家は、設備が使用できるかの確認など通常よりも手間やコストがかかる割に売却価格が低く、通常の計算では仲介手数料も低くなるため、不動産仲介業者には経済的なメリットがありませんでした。そこで2018年1月から特別措置として仲介手数料の上限を引き上げていましたが、今回の措置では、これをさらに引き上げることにしています。

 仲介手数料の以外の改正点もありますが、ここでは仲介手数料の上限引き上げに的を絞って空き家の流通促進にどれだけ効果があるのか、私なりの見解を述べていきます。

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