映画「エル~チェンジザワールド」

この時期に不謹慎な映画レビュー。「デス・ノート」2作の後、いわゆるスピンオフとして作られた作品だと思うのだけれど、主人公がエルである必要性は全くないし、デス・ノートは全く使われないし、きっと別の企画として用意されていたものを、ちょっと無理して「デス・ノート」に仕上げたなんて大人の事情があったりしたのではないかとか、想像したりするのも楽しい。
とはいえ、ウイルス兵器モノのサスペンスとして、単純に見れば、悪くない出来なのではないかとも思う。切り口として、抗ウイルス薬の方に着目して、それを巡る紛争になっている点は斬新だったと思う。
確かに、ウイルス兵器の場合は、抗ウイルス薬の開発とセットでないと、コントロールが効かなくなって、「復活の日」の惨状になってしまうわけで、この映画でこのウイルスを利用しようとする組織がいくら「ウイルスによる人口削減、地球環境浄化」を御題目にしていると言っても、人類滅亡まで認容しているわけではなく、自分たちは生き残りたいと思っているわけで、ウイルスをまき散らしながらも、抗ウイルス薬を求めて走り回る姿は、人間のエゴそのものだし、そう考えると、デスノートを手にして正義を実現するつもりだった月がだんだんと、正義の罠に堕ちていく姿とも重なるわけで。そう言えば、このテロ集団も「新世界」という言葉を使ってた。そう言う部分がデスノートなのか。なるほど、このウイルスそのものがデスノートだったというスピンオフだったのか、なんて、10年経って2回目を見て気が付く。
とはいえ、現在のウイルスについてもいろんな見解が飛び交っているけれど、さすがに人工的なものということはないと信じたい。人工的なものだったら、セットで存在しているはずの抗ウイルス薬を早く出してほしい

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