泌尿器科にいくまで6年かかった話

自分が真性包茎であるとおぼろげながらに知ったのは高校生の頃でした

当時はネットはまだ黎明期でエロ本などから知識を仕入れ、エロ本の広告欄から包茎の存在を知りました

そして自分はそうなのではないか?とおぼろげながらに感じていました

大学に入るとネットでエロ知識を仕入れるようになり、そこではエロ本と違って無修正の世界が広がっていました

主には女性の身体を見るためですが、否応なく男性のソレも目に入ってきます

そこではっきりと、自分は普通のおちんちんじゃないんだ、と自覚しました

皮を剥こうにも全く向ける気配がありません

しかし日常生活を送る上で、排尿や自慰行為で全く不自由を感じていませんでした

ただ唯一、自分に自信が持てませんでした

今ではそれが美容整形外科の広告による洗脳だったと思いますが、20歳前後の男子にしてみると、アソコが剥けないというのは彼女を作るという至上命題の上でかなり大きな障害だったことは確かです

それでも彼女を作ったりしていましたが、25歳の時に奈落の下に突き落とされます

別れた彼女が、共通の友人たちに僕が真性包茎であることをバラしていたのです

それから先は、彼女候補の女の子にも真性包茎のことを言い出せず、仲良くなっても交際に至らない日々が続きました

で、ここまで悩んでいてなぜ真性包茎を治そうとしなかったかというと、単純に手術が怖かったからです

13歳の時に盲腸を拗らせて腹膜炎という難病にかかり、緊急手術が必要だということで、全身麻酔をかける上で胃の中にある内容物を強制的に吸い出すという拷問を受けたトラウマがあります

また、元彼女に告げ口されるまで、真性包茎でも女の子と付き合えると思っていたのもあります

ただいつかは治療しなきゃと思っていました

女性に対する恐怖心が芽生えたタイミングで、真性包茎を治療するタスクは自分の頭の中から消えました

それから10年経ち、35歳で会社を辞めた時に、ふと包茎治療をしよう!と思い立ちました

驚くことに、10年間も忘れていました

それほど、真性包茎をバカにされた傷は深かったです

ネットで包茎手術のことをいろいろ調べて、真性包茎は保険がきくので泌尿器科で1万円ほどで手術できると知りました

そこでうちの近くの泌尿器科に電話をかけてみました

僕「もしもし?」

受付女性「○○泌尿器科です、どうされましたか?」

僕「あ・・・あの・・・ほ、ほうけいなんですけど・・・」

受付女性「すいません、うちは透析専門の泌尿器科で。。。」

僕「あ、すいません、失礼しました」ガチャン!

想像以上に包茎なんです、と人に言うのがつらく、またファーストコンタクトでお断りされるという大ダメージを食らってしまったので逃げ出したかったです

しかし逃げてもしょうがないので今度は透析専門じゃないことを確認して、商店街の中にある泌尿器科に電話をしました

僕「もしもし」

受付女性「○○泌尿器科です どうされましたか」

僕「あ、あの、ほ、ほうけいで。。」

受付女性「あっ、わかりました。ちょっとまっててもらえますか?」

僕「はい。。。(なんの待ちだろう?)」

院長と思わしき男性「もしもし?うちはねぇ、手術やってないんですよ」

僕「(がーーーーん!)わ、わかりました。失礼します」がちゃん

はい、もう特大ダメージで瀕死です

このやり取りでショックを受けたのは、

・ほうけいなんですけど、と言っただけで手術をやっていないと返ってきたこと

それと

・単純に街の泌尿器科では診てもらえなさそうなこと

です

包茎なんですけどからの、プロによる手術やってない発言は、すなわち僕は手術が必要だという死刑宣告でした

まあ予想はしていましたが、思わぬところで実質宣告されたのでショックはありました

そして勇気を出して二件も電話をかけたのに、治療してもらえないというショックでした

もう完全に心が折れてしまいました

真性包茎をこじらした人っていうのは、時にメンタルがめちゃくちゃ弱いです

男として生物として劣っている、なんて考え方にもなりがちで、一般人よりメンタルが弱いことが多いと思います

また当時は貯金がゼロなのに無職だったので、美容整形手術を考慮するという選択肢はありませんでした

ですのでそこからまた5年間、包茎治療のことは頭の中から消え去ります

5年後コロナ騒動で目が覚めた僕は再度包茎治療に取り組み出しました

そして今度は美容整形も視野に入れ、いろいろ調べました

そこで一つ美容整形なのに保険診療しているクリニックを見つけ、メールで問い合わせをしました

すると手術は2ヶ月後になると返事が返ってきました

こちらとしては2ヶ月も待ってらんない!今すぐしてほしい、やっと一念発起して問い合わせたんだ、2ヶ月も先までずっと手術に対して怯えながら過ごすなんて考えられない!

と0.5秒で考え、そのままそのクリニックは放置しました

結論として次に病院にかかるまで2ヶ月以上かかるわけですが、当時は2ヶ月以内に別のところ探すわ!と思っていました

しかし日本は初めての緊急事態宣言に入ります

そこでは不要不急の外出だけではなく、リモート診療も勧められました

コロナを理由に病院探しは先延ばしにしていました

そして緊急事態宣言が明けた時、前から気になっていた泌尿器科に行ってみようと試みました

中略

あれやこれやと行かない理由を考え出して6年間もいけなかったわけですが、最後に行ける後押しになった考えが、これです

「手術しにいくんじゃない、相談しにいくんだ」

もうネットの知識で頭がいっぱいになっていますから、真性包茎=手術に直結しているわけです

だから病院に入ること=注射打って痛い痛いになるわけで、なんで自ら進んで痛い目に遭わなきゃいけないんだ、合理的じゃない!などと考えて、なかなか足を踏み出せないんです

そこで最後に思い浮かんだことが、この「お医者さんに相談しにいくだけ」という考え方です

別に手術しにいくわけじゃない、と考えるとすごく気が楽になって最終的には病院の門をくぐることができました

包茎手術に恐怖を感じてる人がいたら、ぜひこの考え方を参考にしてもらって、お医者さんに行ってみてはどうでしょうか

僕は病院で先生に相談できたおかげで、手術をせずに自力でなんとかしてやろう!と思えることができました

そして実際に毎日治療を継続することができているのも、病院で診察を受けたからだと思います

現に6年前に自力で治そうとしてピンセットや穴を広げるボタンなどを購入したときは、全然広がらなくてやる気が削がれてしまい三日坊主で終わりました

しかし今回はお医者さんに診てもらった事実があるので、へこたれません

お医者さんの診断内容という裏打ちがあるので、頑張れるところがあります

真性包茎の人は手術するしないに関わらず、一度お医者さんに診てもらう、じゃない、「相談をしに行く」ことをお勧めしたいです

必ずそこで、道は開けると思うので。

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