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AGA治療薬フィナステリドってどんな薬?効果を高めるポイントや知っておきたい副作用

AGA治療薬として多くのクリニックで処方されているフィナステリドですが、効果を十分に発揮させるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

多くの方がフィナステリドの効果を実感しているとはいえ、ポイントを押さえずに服用を続けても十分な効果は期待できません。

せっかくフィナステリドを使うからには、効果を最大限に高めたいですよね。

また、フィナステリドがもつ副作用や注意点なども知っておく必要があります。

この記事ではAGA治療薬として広く用いられているフィナステリドについて、効果を高めるためのポイントや注意すべき副作用・注意点などを詳しく解説します。

ぜひ最後までチェックしてください。


フィナステリドとは?

フィナステリドとは?

そもそもフィナステリドとは、どのような薬なのでしょうか。

フィナステリドは、日本で初めて発売されたAGA治療薬「プロペシア」のジェネリック医薬品です。

プロペシアは2005年に厚生労働省の認可を受けて以来多くのクリニックで活用されていましたが、ジェネリック医薬品のプロペシアが登場したおかげで、AGA治療にかかる費用削減ができるようになりました。

日本皮膚科学会によるガイドラインでも、男性型脱毛症に対して最高レベルの推奨度を持つなど、高い効果が期待できる薬です。
出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

フィナステリドがAGAに作用するメカニズム

そんなフィナステリドですが、AGAに対してはどのように効果を発揮するのでしょうか。

フィナステリドは、AGAの主な原因「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制することで、脱毛の予防や髪の毛の成長を促してくれます。

DHTはAGAの主要な原因となる男性ホルモンの1種で、毛母細胞の収縮を引き起こし髪の毛の成長期間を短くしてしまいます。

フィナステリドはこのDHTの生成を抑えることで、髪の毛の成長サイクルを改善してくれる薬です。

また、テストステロンがDHTに変換される際に働く5α-還元酵素を阻害し、髪の毛の密度や太さ、コシやハリなどをアップさせる作用もあります。

フィナステリドの効果を高めるポイント5選

フィナステリドの効果を高めるポイント5選

フィナステリドはAGA治療に効果が期待できる一方、ポイントを無視して服用しても思ったような効果が得られない場合もあります。

せっかくフィナステリドを服用するからには、効果的な効果を高めるポイントを意識しましょう。

今回は特に意識したいポイントとして、以下の5選を厳選して解説します。

  • 用法や用量をまもる

  • 継続して服用する

  • 医師と定期的に相談をする

  • 生活習慣全般をみなおす

  • 服用を習慣化する

①用法や用量をまもる

フィナステリドは、多量に服用するほど効果が強くなるわけではありません。

医薬品は定められた用法や用量を守らなければ、期待通りの効果が得られないばかりか健康被害を引き起こす恐れさえあります。

フィナステリドも同様です。

1日1回1錠がフィナステリド服用の基本です。

医師に指示された用法用量を守って服用してください。

もし効果が見られなかった場合でも自分の判断で服用の量を増やしたりせず、医師に相談してから今後の方針を決めましょう。

②継続して服用する

継続的な服用も欠かせません。

フィナステリドは、服用直後から効果が現れるような魔法の薬ではありません。

効果が現れるまでには長期にわたって服用を継続する必要があります。

フィナステリドの効果が現れる期間には個人差がありますが、最低でも6か月は服用を続けてください

AGAは治療を続けている期間だけ、治療の効果が現れます。

途中で服用をやめてしまうと、AGAが再発する恐れもあるので注意しましょう。

③服用を習慣化する

上でも解説した通り、フィナステリドの効果を得るには長期的な服用が欠かせません。

そのためには、フィナステリドの服用を習慣化するよう心がけましょう。

頻繁に飲み忘れると、血中のフィナステリドの濃度を一定に保てません。

おすすめなのが、毎日決まった時間での服用と保管場所との紐づけです。

以下の例を見てください。

このように飲むタイミングと保管場所とを紐づければ飲み忘れも減り、習慣化がしやすくなります。

④医師と定期的に相談をする

AGA治療は、医師と二人三脚で進めます。

フィナステリドの処方などのAGA治療は「医療行為」なので、治療の継続には医師の診察が欠かせません。

フィナステリドの効果が期待ほどではなかったり、副作用が強く現れたりした場合、自己判断で服用を止めたり容量を増やしたりするのはやめましょう。

効果が現れている場合でも、経過の報告や今後の治療方針などの相談は大切です。

発毛や脱毛の減少が実感できても通院を中止せず、医師との相談を欠かさないでください。

⑤生活習慣全般をみなおす

フィナステリドの効果を最大限に引き出すには、土台となる体全体の健康が大切です。

生活習慣が乱れていると、フィナステリドの効果が低くなる恐れがあります。

睡眠時間の確保や栄養バランスの取れた食事、適度な運動や禁煙などを心がけて、体の健康を保ってください。

体だけでなく、心の健康も大切です。

薄毛とストレスは密接にかかわっています。

例えばストレスホルモンの1つ「コルチゾル」はストレスに対抗する大切なホルモンですが、過度に分泌されると免疫機能が抑制されて頭皮環境に悪影響を及ぼす恐れがあります。

読書やスポーツなど自分なりのストレス発散法をみつけて、ストレスがない生活を意識ましょう。

フィナステリドの副作用

AGA治療に効果的なフィナステリドですが、注意すべき副作用もあります。

どんなに優れた薬でも副作用があり、フィナステリドも例外ではありません。

フィナステリドの効果だけに注目せずに、注意すべき副作用にも目を向けましょう。

以下に挙げる副作用の例を見てください。

  • ED、性欲減退、精液量減少などの性機能障害

  • 肝機能障害

  • 抑うつ症状

  • ほてり

  • 女性化乳房

  • 胃の不快感 など

これらの副作用が現れた場合、すぐに担当医に相談しましょう。

定期的な血液検査も、副作用の早期発見に効果的です。

ただし、フィナステリドの服用で副作用が出るケースは稀です。

フィナステリドを服用した人全員に副作用が現れるわけではないので、過度な心配は必要ありません。

フィナステリドを使ってはいけない人

バツ印を作る医師
フィナステリドを使ってはいけない人

フィナステリドは、誰でも使える薬ではありません。

使ってはいけない人がフィナステリドを使うと、重大な健康被害に繋がりかねません。

以下の3項目をみてください。

  1. 女性

  2. 未成年者

  3. 肝機能に重大な問題がある人

①女性

フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)に効果がある治療薬です。

そのため、女性への服用は効果が期待できないばかりか安全性も確認されていないので、禁止されています。

特に授乳期の女性や妊婦などが服用すると、胎児や子どもに悪い影響が及びかねません

また、フィナステリドは触れただけでも皮膚から吸収してしまう恐れがあります。

フィナステリドの保管場所には十分注意して、女性が触れないように気をつけてください。

②未成年者

男性であっても、未成年者の場合はフィナステリドは使用できません。

もちろん女性の未成年者も同様です。

フィナステリドによって働きが抑制されるジヒドロテストステロン(DHT)は、筋肉や骨格を成長させたり、男性器をの発達を促したりと、男児の成長に欠かせない働きを持っています。

フィナステリドの服用でジヒドロテストステロンが抑制されると、男児の成長に悪影響を及ぼしかねないことから、未成年者の服用は禁じられています。

③肝機能に重大な問題がある人

フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能に重大な問題がある人はフィナステリドを使用すべきではありません。

肝臓に問題があるとフィナステリドの代謝が遅くなり、体内に薬物が蓄積して副作用のリスクが高まる可能性があります。

肝疾患の既往歴がある人や、現在肝疾患を患っている人は、医師との十分な相談が大切です。

フィナステリドのみでAGA治療を進めるメリット3選

医師によっては、フィナステリドと他のAGA治療薬との併用を進める場合がありますが、こうした方法にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

まずはフィナステリドの単独治療のメリットから考えましょう。

①治療の簡便性

フィナステリドは1日1錠の服用で、男性型脱毛症(AGA)の進行を抑制できます。
複数の治療と並行しないため治療プロセスが簡単になり、服用を忘れるリスクが減少します。

②副作用の少なさ

フィナステリドは他の治療薬と比較して副作用が少ないとされています。
先ほど副作用についても解説しましたが、副作用が現れるのは稀です。
これは、特に長期的な治療を考えると重要な利点となります。

③治療費を節約できる

治療費の節約につながるのも見逃せないメリットです。

複数の治療法を採用するほど、当然かかる治療費も高額になります。

フィナステリドは主に小程度~中程度のAGAに効果的といわれています。

症状が重篤でなく、フィナステリド単独で治療が見込める場合は、無理に高額な治療費を捻出する必要はありません。

他の治療法とフィナステリドを併用するメリット2選

つづいては、他の治療法や治療薬とフィナステリドを併用するメリットを考えます。

①相乗効果

フィナステリドとミノキシジルなどの治療薬を併用することで、それぞれが持つ異なる作用機序が相互に補完し合い、薄毛治療における相乗効果を発揮します。

特に「フィナステリドは守りの薬」「ミノキシジルは攻めの薬」といわれるように、それぞれの作用を補完した治療は効果が高いです。

②治療の選択肢が広がる

患者の生活スタイルによっては、一部の治療法が他の治療法よりも適している場合があります。

例えば費用を節約したい人にとっては、1日1回の服用が可能なフィナステリドが適しています。

一方、AGA治療に十分な費用が割ける人にとっては、ミノキシジルと併用する価値も大きいです。

このようにフィナステリドと他の治療薬を併用することで、患者は自身の症状や生活スタイルに最適な治療法を選びやすくなります。

フィナステリドに関するQ&A

フィナステリドに関するQ&A
フィナステリドに関するQ&A

最後に、フィナステリドへの理解を深める情報を、一問一答形式で解説します。

以下の5項目をみてください。

  • フィナステリドは保険が使える?

  • 副作用が強く表れた場合の救済措置はある?

  • フィナステリドの効果が現れるまでどのくらいかかる?

  • フィナステリドの安全性は高い?

  • 実際フィナステリドはAGA治療に効果があるの?

Q.フィナステリドは保険が使える?

A.使えません。

フィナステリドに限らず、AGA治療は自由診療なので保険の適用外です。

Q.副作用が強く表れた場合の救済措置はある?

A.医薬品副作用被害救済制度を検討しましょう。

医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を適切に服用したにもかかわらず、重篤な副作用の発生で大きな健康被害を被った人が利用できる制度です。

参照:厚生労働省 医薬品・医療機器等安全性情報

Q.フィナステリドの効果が現れるまでどのくらいかかる?

A.最低でも6か月間はみておきましょう。

フィナステリドの効果には個人差があり、早ければ3か月程度で効果が実感できる場合もあります。

しかし、最低でも6か月間は必要と考えてください。

効果をしっかりと実感するには、長期的な服用が欠かせません。

Q.フィナステリドの安全性は高い?

A.高いといえます。

フィナステリドは2005年に厚生労働省の認可を受けているうえ、1997年にはアメリカのFDAの認可を受けています。

FDAとはアメリカ食品医薬品局のことで、食品や医薬品、化粧品などの有効性や安全性を確保する機関で、日本の厚生労働省に似た役割を持つ機関です。

Q.実際フィナステリドはAGA治療に効果があるの?

A.厚生労働省によって効果が認められています。

2024年6月現在、厚生労働省の認可を受けているのは「ミノキシジル外用薬」「デュタステリド」「フィナステリド」の3つだけです。

厳しいチェックのうえで認可を受けているので、効果は高いといえます。

さらに、日本皮膚科学会の研究では1日1mgのフィナステリドを5年間服用したけっか、99.4%の症例で効果が見られたというデータもあります。

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

まとめ~フィナステリドの効果は高いといえる~

今回はAGA治療薬「フィナステリド」について、基本的な情報や効果を引き出すポイントなどを解説しました。

フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療において高い効果が期待できる治療薬で、厚生労働省の認可も受けています。

フィナステリドを用いた多くの臨床試験で、脱毛が減少し毛髪の密度が増加することが確認されており、日本皮膚科学会も推奨度を最高ランクのAとしているほどです。

副作用が起こるケースもまれで、適切な使用と医師の指導の下であれば、安全に長期間使用できます。

ただし、女性や未成年者、肝機能に問題がある人はフィナステリドは使用できないので、担当の医師と他の治療方法を模索しましょう。

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