不二山嵐に狂った話

プレイするに至った経緯

2022年初夏。
 私はときめきメモリアルGirl's Side 3rd Storyを購入した。その経緯としては、某実況を見たからである。今作の王子枠、桜井琉夏を私の手で幸せにしたいと思っての購入だった。初回プレイは琉夏に捧げ、彼とハッピーエンドを迎えることが出来た。一生愛す。続いて琉夏の兄、琥一をプレイして3番目が不二山嵐だ。
 正直、不二山嵐は某実況のイメージでわりと強引な柔道部への勧誘、柔道着のことを四六時中考えて早弁をしているキャラだ。ただ私は頑張る筋肉が好きだと自称している。柔道に熱中するスポーツキャラは攻略しないわけにはいかなかった。こうして私と不二山嵐の3年間が始まる。
(セリフや時系列は衝撃のあまり間違ってる可能性があるので、温かい目で見守ってほしい。そして全て個人の感想です)

出会い

 まず自分の自室を和室(初期運動パラが1番高くなる)にして運動コマンドを実行。下校時間に柔道同好会のビラ配りをする不二山嵐に出会った。同じクラスなのに、ほとんど初対面に近い不二山嵐と主人公(これよりバンビと記述する)。何をそう感じたのかは分からないが、不二山嵐は柔道同好会のマネージャーはバンビしかいないと断言し、その席を空けておくと言う。不二山嵐を攻略すると決めていたので私は即決で入部を決めたが、ある意味2人はここで運命の出会いをしたと言える。
 柔道部のないはばたき学園で柔道同好会の立ち上げを決めた不二山嵐。部活動やバイト等をどうするか思い悩んだバンビ(これは私の妄想)。バンビとしては必要とされたら入部してもいいかなと思ってしまっても仕方がないシチュエーションだろう。ここから2人の青春の3年間が始まっていく。

理事長との出会い、顧問の就任

 2人で柔道同好会としての活動がスタートしたわけだが、柔道同好会には部室も活動場所もない。学校の周りをランニングしたり体育館のステージを貸してもらったりして2人で活動を始めていく。私はこまめに部活動を行いながら、校庭でストレッチするモーションを眺めて泣いた。こんな苦労を、高校1年生で……。
 部活動、日曜日にはデートに誘ってデートをして不二山嵐との学園生活を謳歌していくわけであるが、この不二山嵐、なかなか好感度が上がらない。琉夏はすっごく簡単にスルスル上がったのに。しかも琉夏はスキンシップド下手すぎてほぼほぼ何もしてないのに。結局好感度が友好になったのは1年目の2月。神社の神様の力をお借りした。
 閑話休題。文化祭の時期が近づき、不二山嵐に伝えたいことがあると言われ、一緒に下校することになる。そこで聞いたのは文化祭で百人掛けをするということだった。柔道について背負い投げくらいしか知らない私は、たぶん百人と戦うってことかな?と理解する。おそらくそう。不二山嵐曰く、本当に百人は無理。いけて10人くらいとのこと。柔道同好会を周知させるためのイベントとして行うから、場所探しをしようという持ちかけだ。文化祭ということは体育館なんかも他の部活の出し物で埋まっているのでは?と考えたが、実際にそれはその通りで、百人掛けをする場所探しに行き詰まる不二山嵐とバンビ。そこに現れたのは……エェーーーー!理事長!!!!(しふくのすがた)
 話を詳しく聞かせて、という理事長だが、不二山嵐とバンビは目の前の人物が理事長ということを分かっていない。大丈夫か?この理事長、かなり有能で柔道同好会のためにプレハブの部室を建ててくれる。そして部への昇格も決まる。不二山嵐の熱意が伝わった結果だ。一生懸命なスポコンに弱い私は泣いた。よかったね、不二山嵐。これで百人掛け出来るね。
 そして文化祭当日。校内に百人掛けのアナウンスがかかる。百人掛けが始まると、最初は少なかったギャラリーも段々と多くなっていく。休憩しないという不二山嵐にバンビも少し戸惑うが、百人掛けは続いた。結果的に29人で終わってしまったものの、不二山嵐への声援は止まない。ここだまた私は泣いた。まだ1年目の11月なのに。不二山嵐、頑張ったね。きっと、来年は後輩が入るよ。きっとね。
 そして我が担任、大迫力が顧問へ就任し、柔道部としてまた新たな1歩を踏み出すのだ。頑張って!不二山嵐!

後輩の入部、引き抜き

 最底辺だった成績に少し危機感を覚えたため、他のパラメーターも少しずつ上げつつ部活に励むバンビこと私。不二山嵐がバイトする温水プールでストーカーのように一緒にバイトをし、デートに誘っては断られたりを繰り返し何とか好感度を上げていくと、いつの間にか1年が過ぎていた。
 外出で出会った謎のナンパ男が1学年下の新名旬平であることが発覚。下校時間に柔道部のバンビを見るやいなや「ゲッ!」とか抜かすニーナ。なんだお前、こちとら先輩だぞ。そして何やかんやあって、そのニーナが柔道部に入部することになる。ありがとうニーナ!やったね、不二山嵐!後輩が出来たよ!(この後ニーナはほぼほぼ空気となる)
 実際のところ、入部した後輩がニーナだけなのかはよく分からない。きっとニーナだけじゃないんじゃないかなとは思うが、どうなのだろう。3年目には他にもいそうな描写が少しあるくらいで何とも言えない。
 オプションのAVDイベントでは、ニーナは練習をサボっては不二山嵐に追いかけ回されていることが分かる。不二山嵐も不二山嵐で、ただサボらせて追いかけ回すだけではない。その追いかけっこすらもトレーニングとして利用してしまうのだ。少し天然ボケとも言える彼だが、こんな策士な面も見られるなんて。ここでまた不二山嵐を好きになってしまった。柔道部よ、一生青春しろ……。
 そして2年の秋、何やら不二山嵐が悩んでいる様子が見られるようになる。バンビに「俺がいなくなったらどう?(曖昧)」と聞いてきたりする。もちろん不二山嵐がいなくなったら、ショックすぎるし、何より柔道部はどうなる?今は不二山嵐という頼れる部長がいることで柔道部が成り立っているとも言える。ここでは全てが明かされないのだが、数ヶ月後に判明する。不二山嵐は一流体育大学付属高校から引き抜きの打診があったのだ。費用も全て一体大持ちで両親の説得もしてもらえる。かつ整った環境で柔道に取り組める。普通に考えれば、転校以外の選択肢はないだろう。私も不二山嵐の将来を考えれば、転校も致し方ないと考えてしまった。しかし、不二山嵐はその打診を断る。自分で立ち上げた柔道部、何より私を思ってのことだった。このイベントは最高に柔道部の絆を感じられるので、皆さん見ていただきたい。

不二山嵐の葛藤

 不二山嵐をここまでプレイしてきたが、最初の印象としては「まっすぐで柔道に一生懸命。いつもお腹を空かせていたり、少し天然気味の少年」という印象だった。
 不二山嵐と学園生活を送る中で、下校やデートの際にアレ?と思うことが多くなってくる。自分の意思で柔道を始めたわけではないこと。昔は体が弱く、心と体を鍛えるために両親から柔道をやらされていたこと。最初は嫌だった柔道が面白くなり、大好きになったこと。はばたき学園を受験しろ、柔道を辞めろと親に言われ、その通りにしたこと。そしてそれを疑問に思ったということ。
 少しずつ不二山嵐の過去が彼の口から語られていくのを聞き、私は泣いた。不二山嵐はこれからもずっと柔道を続けたいのだ。海辺の会話でも柔道に関係する仕事に就きたいと語っている。でも両親はそう考えてはいない。今まで両親に従順だった彼が、両親に疑問を持ち、自分の意思で道を切り開こうとしている。不二山嵐ルートとは、そういう物語なのだと私はこの辺りで悟る。
 そして両親に今も柔道を続けていること。これからも続けることを両親に全部話すことに決めたと打ち明けられる。大丈夫だよ、不二山嵐。今の不二山嵐なら、ご両親もきっと反対なんてしないから。その私の気持ちの通りだったので、みなさん是非不二山嵐のADVイベントを見てほしい。

卒業、そしてその後

 3年の夏、合宿をするぞと不二山嵐に話をされる。急に決めたからバンビ、不二山嵐、ニーナの3人のみで行うという。そんなことあるのか?と思いつつ、楽しくなりそうだ。
 合宿の最終日、夜に不二山嵐に呼び出され、真っ暗闇のなかどこかへ誘導される。何があるのかと思えば、3人で夜のプールに飛びこむのだった。なんだこれ、なんだこれ!青春じゃん……。ニーナの目を盗んで飛び込んだ時のまま手を繋ぐ2人。青春を真正面から浴びた私は死んだ。柔道部一生続いてくれ……。
 ところで私は不二山嵐の一途ルートを2回行っている。最初のルートでは不二山嵐に一直線すぎてニーナを友好に出来ず、一流体育大学を受験することが出来なかったからだ。何としてでも不二山嵐と同じ大学に行きたい。2回目の攻略でなんとか基準を満たし、同じ大学に入ることが出来た。
 不二山嵐の告白は、彼の性格の通りに誠実で直接的だ。最初こそ「俺の隣にはお前しかムリだ」と言うのだが、その後考え直して「お前の隣にいたい」という。あの、昭和の男思想だった不二山嵐が、3年間でここまで変わるのかと感慨深かった。こんなん好きに決まってるじゃん!結婚じゃん!オリンピックで金メダル取って、観客席のバンビにメダルあげるやつじゃん!もしかするとそこでプロポーズまでしちゃうかもしれないじゃん!私はエンディング後のスチルを知らなかったので、告白シーンを見ながら叫んだし、Twitterでも幾度となくそんな風に呟きまくった。
 エンディングが流れ、余韻に浸っているとエンディング後のスチルが表示される。青い柔道着には日本の国旗が刻まれ、こちらに向かってガッツポーズを決めている。「メダルはお前にやる!」は?待って待って待って!私の妄想の通りじゃん…………………。この破壊力は本当に凄かったので、味わって欲しい。

最後に


 私は筋肉が好きだ。スポコンが好きだ。そんな不純とも言える理由で不二山嵐の攻略に踏み切ったわけだが、予想通りGS3で1番好きなキャラクターになってしまった。あまりに青春すぎた。
 不二山嵐はあまりにまっすぐで、自分にも他人にも正直だ。思ったことは直接言うし、我慢もあまりしない。私は何でも引きづるタイプなので、彼が羨ましい。不二山嵐を攻略すると何だか元気を貰えるような気がするまである。
 バンビにとって、不二山嵐は友人であり、仲間であり、唯一無二の相棒であり、何より恋人だ。一途ルートでも色んな要素を楽しめる。苦手な人ももちろんいるだろうが、そこが彼の魅力だ。
 不二山嵐よ、いつまでもまっすぐであれ……一生愛す……。

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