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インドシナ便り Vol. 07 インド圏バックパッカー旅行記

友人知人の皆様

先月、2週間ほどインド周辺を旅してきました。インドを旅してみよう!が先だったのか、それとも、どこかへバックパック背負って貧乏旅行へ行こう!が先だったのか、今となってはどちらが先だったか忘れてしまいましたが、どこかでインド行くならバックパッカーで、バックパックならインドへ、どこかでその2つのキーワードはセットになっていたような気もします。

年甲斐もなく文字通りバックパック背負い、若者達とドーミトリーで寝泊まりする貧乏旅行でしたが、幾つかのテーマについて自問自答しながらの旅でもありました。インドシナからテーマは少し外れますが、本日は番外編でそのあたりについて少し。

<ドーミトリーの相部屋で考えたこと>

今回は自分が手掛けているシティホテルとは対極にあるゲストハウス、しかもドーミトリー(相部屋)で旅を続けました。シティホテルに泊まりながらのインド旅行って何か纏まりありませんし、まあ、バックパッカー=ゲストハウスは不文律みたいなところがありますからね。基本、2段ベッドで6人前後の相部屋、1泊500~700円程度、山小屋に比べればシャワーでるだけまだマシですね。

旅の情報収集を兼ね、基本、日本人が運営するゲストハウスを選びましたが、一言でゲストハウスと言っても、宿によってコンセプトや雰囲気も色々で興味深いものでした。実質ボランティアの若者を使って自由な雰囲気でチェーン展開する宿もあれば、現地の旦那さんと二人三脚で慣れない宿泊業に挑戦する活発な女性の宿あり、極めつけは、在住二十数年という女将さんがローカルスタッフと看板娘(しかもその看板娘がサクラちゃん、なんて名前の映画にでも出てきそうな愛嬌のある美人さんだったりする、笑)とやりくりする宿など様々。私のような短期旅行でも少し癒される感じがしてしまうのですから、長い旅の中でこんな宿に出会ったら、その安心感たるや計り知れません、本来、宿とはこうゆうものを良しとするわけで、仕事柄改めて少し考えさせられた気がします。

さて、相部屋には当然のように息子娘の世代ばかり。若者らと一緒に飯食ったりしながら話し聞いてましたが、ある意味、皆かなり似通った行動パターンで動いているのを見聞きし、やはりある種の画一性を感じざるを得ませんでした。ネット社会の功罪でしょうか。加え、わざわざ少しご予算高めの日本人宿を選んでいるくらいですから余計にそうかもしれませんが、数か月も放浪している逞しさとは裏腹に、皆さんの英語の怪しさは結構驚きのレベル。このあたりからも日本人の世界における立ち位置を考えさせられたりしてしまってました。まあ、一方で旅行にも出たがらない若者が増えているようで、それに比べれば行動力があるだけ何十倍もマシでしょうが。

<さて、皆に絶対腹壊す、と脅され続けていた結果は?>

さて、2週間大した目的もなく、複数都市で街中をブラブラし安食堂で飯食っての連続でした。もちろん大半がカレーでしたが意外にも大して辛くない。辛さだけでいえばタイ料理の方がよっぽど辛い。最初は、恐る恐る試していた料理も2~3日して腹の具合が何ともないことを確認すると、選ぶ店の衛生レベルも徐々に過激になっていきましたが、結果として、滞在中、お腹は至って順調で、長年のアジア生活の修行?の結果を見たようでした。

と、まあ変な自信をつけて無事にタイに帰ってきたわけですが、後日談として、何故かタイに戻って2日位してから逆に体調急降下、高熱出るは、今更ながら腹下すはで1週間ほどフラフラ状態。要は潜伏期間だったのか、安心感でどっと疲れが出たのか、やはりガンジス川での沐浴がいけなかったのか、はたまた戻って久々に食べたタイ料理が辛すぎたのかは、未だに良く分かりません、笑。

<インドは今後関わるに値する国か?>

大袈裟にいうと、今回の旅の一つの問いはここにありました。今後のアジア圏の勢力図を考えていく上で無視できない大国です。周辺国も含め中長期的には大インド圏の発展は疑いのないところしょう。私の関わるホテルという領域に絞ってもこれだけの巨大市場です。主要都市では既に一部の外資系ホテルが足場を固めつつありますが、まだ夜明け前の静けさ、といった感じです。そうゆう意味では、自身が初めて25年位前に中国に足を踏み入れたときと状況が似ているような気がしてなりません。人口は近く中国を抜くことが確実、人口ピラミッドも理想的といいますから、今後内需拡大により、どこかのタイミングでホテル投資も爆発的に増えてくることでしょう。

  

一方で、今回短いながら旅行して感じたのが、インド人のホスピタリティー産業への適性への疑問。かつての中国でもそうでしたが、まあ、基本的にみなさん他人に対してかなり感じが悪い、苦笑。まあほぼ毎日、髭面して安食堂で飯食ってただけですから、もしかすると違うシーンでは違う風景も見えるのかもしれませんが、自分自身は気の休まる瞬間はほとんどなく。加え、やはりカーストによる厳格な役割分担がある国ですから、マルチタスクなんて仕事のやり方は難しそうです。ホテルを立ち上げ、ローカルスタッフにインターナショナルスタンダードを軸とした(もっと言えば、それに少し日本的な要素も加えた)教育を施していく、か~なりハードルの高い仕事になりそうなことは間違えありません。

<それでもインドとの関わりは不可避なような気がする>

 繰り返しになりますが、20年以上前に中国赴任したころ、中国に進出する日本企業なんてまだまだ限られたものでした。ましては中国の内需に期待して進出していた国なんてどれだけあったんでしょう? 駐在を躊躇する代表的な国の一つでもあったと思いますが、逆に今や中国と何ら関わりのない日本企業ってどれくらいあるのでしょうかね。

インドでも近未来に同じような事が起こる気がしてなりません。私自身としても、中国との関わりが強かった仕事人生の前半戦でしたが、もしかしたら後半戦はインドがキーワードになるのでは。ましてや、これから社会に出る若者達にとってはインドというキーワードは益々増してくるでしょう。内需期待といえば、最近のニュースでカレーのココイチがインド進出らしいです。一瞬冗談かと思いましたが、よくよく考えればタイカレーが日常にあるバンコクでもココイチは人気ですから、インドでも一風変わった日系カレーがもてはやされる日が来ないとは言えませんよね。

ドーミトリーで一緒だった日本人の若者達の英語は正直ひどかったけれど、彼らの先見の目は決して悪くない気がしました。彼らのような世代が今後、インドでのビジネスをより積極的に牽引し、先行利益を得られることを期待します。

今日はこのあたりで。

(この投稿は2019年8月にメールベースで友人知人の方へお送りしたものを一般投稿用に一部編集してお送りしているものです)


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