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【in the SOOP】7人の遺伝子が紡ぐもの

わたしは昔、よくいじめられました。

ある日、クラスの女子に「あいつをハブる」という旨の手紙が回ったり、“流行りのソックスを履かない”という理由で挨拶しても毎日無視されたり、そんな経験の連続で、中学〜高校にかけて本当の友達は一人もいなかったと思います。

いつも気持ちが暗く、苦しくて、夢の中でも泣いていた日々。

でも今振り返ると、わたしを拒否していた少女たちは、動物的な本能で「できるだけ似た遺伝子の子たち」と群れる必要性を感じていたんだなと、妙に理解できるようになりました。

それは、脳科学や遺伝子に関する書籍を読んだことで、「わたしたちを動かしている遺伝子は、できるだけ近い遺伝子を生き残らせるために利己的に行動する」ということを知ったから。

きっとあの子たちは、(わたしの性格上の問題もあったでしょうけど)遺伝子に導かれるように自分たちの城を作って、自分たちを護る必要があったんだろうな、と。

一方で、防弾少年団の7人を見てみると

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彼ら自身もよく口にするように、「バンタンでなければ仲良くなっていなかった」と感じるほどにバラバラの思考を持つ人間が、家族のようにお互いを支え合っています。

ここが、最も美しい点なのかもしれません。

お互いが違うということを理解し、違うということの尊さを学び、遺伝子を超えて強く結びついた絆たち。普通に生活している我々には、なかなか得難い絆たち。

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BTS in the SOOPの第8話で、ユンギさんがジンくんにポツリと心の内を見せていました。

「頑張るべきだとずっと話していたけど、欲張りすぎたのかなと思って後悔している。」

この言葉には、語られなかった行間が多分に含まれていると思います。

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話してしまいたい心のエリアと、それ以上は踏み込まれたくない絶妙なバランス。本人しかわからない柔らかいところ。

ジンくんは、なんとかユンぎさんを励ましたかったのか、雄弁に言葉を紡いでいました。

もしかしたらその言葉の数々は、ユンギさんの求めていたものと少し違う点もあったかもしれない。雄弁に語れば語るほど、本質から逸れている部分もあったかもしれない。それでもユンギさんは、

「最近僕が“そうなりたいな”と思う人のひとりは、ジンヒョンです。」

と言いました。

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こんなふうに、いろんな絵具を混ぜ合わせて誰も見たことのない色を作るような7人。

バラバラな遺伝子であることを認めて、お互いから学んでいく姿勢を持つことができる7人だからこそ、不思議に魅力的なものとしてわたしたちの目に映るのではないでしょうか。

彼らを見ていると、人間は捨てたもんじゃないなと嬉しくなります。

わたしや、当時中学生や高校生だった少女たちが手に入れられなかったものを手にしているから。

人としての価値観も、血も、遺伝子も超えて大切にしたいと思える命と出会える幸せ。これからのわたしは、彼らのように大切にしていきたいと思います。

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