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脇本平也『宗教学入門』を読む 第12回

第四章「宗教の諸類型」

2「権威主義的宗教と人間主義的宗教」
フロム(新フロイト派):デューイと近い立場でヒューマニズムの宗教を唱える

何かしらの目標に向かって、献身的に生きるのは、宗教的である。

この宗教的態度を2つのタイプに分けて考える。

①権威主義的
②人間主義的

①権威主義的:人間とは別の異なったもの(神とかほとけとか)に絶対的な権威を認め、それに従う。純粋な宗教だけでなく、国家崇拝やファシズムの諸形態も権威主義的宗教の一種として考えることができる

②人間主義的:盲従を排して、人間自身のなかに尊ぶべき権威を見出す。理性、愛、自由、創造性などの人間の本性を守り、育てる。

これらのタイプは、特定の宗教(集団)が①であるとか②であるとかということではなく、特定の宗教のなかにも①の側面があったり、②の側面があったりする。無神的宗教でも有神的宗教でもヒューマニズムの宗教はありえる。本当に聖なるもの(もしくは、神的なもの)を人間のうちに見出すということは、つきつめれば、宗教神秘主義(個人が何らかの形で、神や聖なるものに個人的に、一回的に触れることができるという立場)につながる。

神秘主義については次項(第13回)に続く。

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