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脇本平也『宗教学入門』を読む 第11回

第四章「宗教の諸類型」

ここまで原始宗教を取り上げて、宗教学の基礎的な理論を見てきた。
世界にはもっと多くの、豊かな宗教伝統も存在する。
それらを比較することで、類型化することにつながる。
ただし、類型論は何を基準とするかによって型の分け方が異なる。
以下、2,3取り上げて、世界宗教を鳥瞰的に見る。

1「有神的宗教と無神的宗教」
西洋のキリスト教の神概念が根底にある学者による「歴史的進化論」。神概念を中心に宗教を比較する。

①精霊崇拝(アニミズム)
②デーモン崇拝
③多神教(ポリシイズム)
④単一神教(最高神が他の神を統率、ヘノシイズム)・交代神教(最高神が交代していく、カセノシイズム)
⑤唯一神教(モノシイズム)
霊的なものから人格的なものへ

マナイムズ(非人格的な力の不思議な作用が重視。霊ではない)や原始仏教などは神概念を中心としない→「無神的宗教」(無神論とは異なる考え。無神論は、宗教そのものを否定的にとらえる)

ヒューマニズムの宗教:有神的宗教でも、宗教自体は否定しない(普遍的理想を追求)が、神の存在は否定という立場

アメリカのプラグマティズム哲学者デューイによると、

既成諸宗教は形骸化、因習化し、役割を終えた。しかし、宗教的なもの(社会的、人類的な理想。特定の宗教や神に対する信仰ではない。)は残るとした。

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