【生成AI×資格試験】プロンプトを駆使して、過去問解説集を作ってみた
ChatGPT Plusを使った資格試験勉強方法を研究しています。
生成AIは真顔で嘘をつくので、正解が求められる資格試験の勉強では不向きかなと思っていましたが、プロンプトや入力を工夫して、正解を外さないようにすれば、様々な使い方ができるのでは?と思います。
生成AIで過去問解説集を作ってみる
ということで、資格試験あるあるの「過去問解説集」を作ってみます。多くの資格試験は、試験問題と解答を公開してくれていますが、解説はありませんよね。この解説をChatGPTにつくってもらいます。
今回は「取りたい資格ランキング」でも上位の「中小企業診断士」の1次試験、「企業経営理論」の科目の「令和5年度 再試験」を取り上げます。この記事の最後に、実際に作った過去問解説集も公開していますので、ファイルだけでも、ご覧ください!
試したプロンプト
今から「問題文」と「解答」をお渡しします。以下のフォーマットに従って、問題文と解答に、解説を作成してください。
**条件**
・「解答」は絶対です。解答以外の選択肢は選ばないでください。
・解説では、誤った選択肢についての説明や用語の説明をちゃんと行ってください。
・途中で生成をやめず、自動的に続けてください。
・各問題に「解答群」があれば、それも記載してください。
**「問題文」**
{問題文}
**「解答」**
{解答}
**フォーマット**
### 第N問
**問題文:**
・問題文
・解答群(ある場合)
**正解:**
**解説:**
**出力例**
### 第1問
**問題文:**
企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が一貫して上昇しているとされる。
イ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。
ウ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な成長性が低下する関係があるとされる。
エ 伊丹敬之によると、 1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」には、相補効果と(狭義の)相乗効果の 2 種類があるとされる。そのうち、物理的な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。
オ 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾向にあるとされる。
**正解:** オ
**解説:**
関連多角化の分類において、集約型(constrained)は経営資源の集中利用が可能なため、効率性が高く、結果として全社的な収益性(利益率)が向上しやすいとされています。
- **ア**: 第二次世界大戦後、米国企業の多角化は必ずしも一貫して上昇していない。多角化の進行には波があり、時期によって異なる。
- **イ**: 多角化が進むと、かえって収益性が低下する場合もあり、必ずしも収益性が上昇するわけではない。
- **ウ**: 多角化の程度が高くなると、企業全体の成長性が向上することもあり、一概に成長性が低下するとは限らない。
- **エ**: 合成の効果について、相乗効果と相補効果の区別は正しいが、物理的な経営資源の利用効率を高めるものを相乗効果と呼ぶのは誤りで、むしろ相補効果に近い。
余談ですが、プロンプトエンジニアリングってプログラミングと違って、毎回結果が異なるし、因果があいまいでちょっと気持ち悪いですよね・・・
プロンプトの工夫など
問題だけを与えて解説を作ってと指示すると、ChatGPTさんは嘘をつくので、条件として"「解答」は絶対です。解答以外の選択肢は選ばないでください。"と記載します。
誤った選択肢についても解説がほしいので、条件に"解説では、誤った選択肢についての説明や用語の説明をちゃんと行ってください。"と記載します。今回は行いませんでしたが、解説の詳しさや、わかりやすさについても記載すると、出力は変わります。
問題と解答の取得
プロンプトの{問題}と{解答}には、問題と解答をそのまま流し込みます。
問題と解答は、中小企業診断協会が公開しているPDFから取得します。中小企業診断士試験のPDFはコピー可能になっていて助かります。
中小企業試験の場合、解答一覧が表組されていて、コピペしづらかったので、スクショしてChatGPTにテキストを抜いてもらいました。精度は90%くらいです。チェックは必要ですが、ひとつひとつ手打ちより断然速いです。
プロンプトを投げてみた
全問題、全解答を渡すという乱暴なプロンプトですが、あらかじめ指定したフォーマットに従って、問題ごとに問題文、正解、解説を出してくれました。すごい!
ChatGPT Plusでも一回の生成文字量は上限があるようで、生成途中に止まることが多いです。この場合は、「続けて」などを入力すると続けてくれます。これを繰り返して最後まで生成をしてもらいます。
あとはこれを印刷するなり、PDFにするなり、ご自由にどうぞです。私はNotionに入れて保存しています。ChatGPTはMarkdownで出力してくれるのですが、Notionにペーストすると、Markdown情報を保持して、見栄えそのままにペーストしてくれるので、捗ります。(ちなみにこのnoteもMarkdown保持してくれますね。これも助かります!)
生成した過去問解説集
公開してみます(需要あるのかな・・・?)
※生成AIが解説をしているものなので、ご利用は自己責任でお願いします。
ファイルはこちらです!!
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