H28年度 都立小石川 適性Ⅲ 解答

【適性検査皿】(45分)〈満点:100点)

 1【独自問題】

ほのかさんとお母さんは雨の日に地面がすべりやすいという話をしています。
お母さん:今日は雨が降っているから,このすべりにくいくつをはいていったらどうかしら。 
ほのか:そうね。この前,タイルの所がぬれていて,すべって転びそうになったわ。
お母さん:地面がぬれているとすべりやすいわね。
ほの か:地面がぬれていても,すべりやすい所とすべりにくい所があるわね。 お母さん:他にもすべりやすい所はあるかしら。 。。
ほのか:ぬれていなくても,落ち葉などをふむとすべることもあるわね。

問題1
 お母さんは,「他にもすべりやすい所はあるかしら。」と言っています。すべりやすい所について,タイルや落ち葉以外の具体的な例をあげなぜすべりやすいのかについてあなた の考えを書きなさい。
模範解答例
海岸などの近くで,すなが乗っているコンクリートの上はすべりやすい。 くつの底とコンクリートの間にすなのつぶが入り,そのすなが動くから。

※カーリング ストーンをすべらせ,約40m先の円の内側に止まるように入れるゲーム。2チームで交 にストーンをすべらせ,相手のストーンをはじいたりすることもできる。ストーンを投げる人の他にもブラシで氷をこする役目をする人がいる。冬季オリンピック種目。

ほのか:表面が平らな氷の方がすべりやすいかと思ったけれど,そうでもないのね。
お母さん:そうね。ところで、アイススケートのシューズに付いている刃は細いわね。なぜだと思う。
ほのか:氷にふれる面積が小さい方がすべりやすいのかしら。
お母さん:氷の上では,同じ重さならその重さがかかる面積が小さい方がすべりやすいのかもしれないわね。カーリングのストーンについても同じことが言えるのかしらね。

問題2
カーリングをする会場の氷の表面には,100cm2あたり30個の割合で氷のつぶがあるとします。ストーンの裏側で氷にふれるのは,図3に示した灰色の部分だけで,幅は1cm とします。ストーン1個の重さを20kgとすると,氷のつぶ1個にかかる重さは何kgになりますか。ただし,図に示す氷にふれる部分の外側の円の半径は12cm から16cm の間で,自分 で決めなさい。また,解答は小数第三位を四捨五入して小数第二位までの数で表しなさい。 円周率は3.14とします。解答用紙には,式を用いて考え方も書きなさい。
模範解答例
外側の円の半径...13cm/氷とふれる部分の面積は,13×13×3.14-12×12×3.14=378.5(cm2) で,その面積にある氷のつぶの数は,78.5:100×30=23.55(個)だから,つぶ1個にかかる重 さは,2023.55=0.849...より,0.85kgとなる。


ほのか:そういえば,カーリングでは,ストーンが進む先の氷をブラシでこすっているわね。
お母さん:ブラシで氷をこするとストーンがすべりやすくなるのよ。それでストーンのすべるきょりを調整しているのね。

問題3 お母さんは「ブラシで氷をこするとストーンがすべりやすくなるのよ。」と言っています。
(1) ブラシで氷をこするとすべりやすくなる理由を考え,それをくわしく説明しなさい。
(2) (1)で考えた理由を確かめる実験を考え,くわしく説明しなさい。
(3) (1)で考えた理由が正しいとしたら, (2)の実験の結果はどうなりますか。
模範解答例
(1) ブラシでこすると熱 で氷が少しとけて水になる。ストーンはその水の上をすべるから。
 (2) 氷の上に水をまい たときと,水をまかないときでストーンのすべるきょりを比べる。同じ実験を何度もくり返し、 平均を取って水をまいたときとまかないときの結果を比べる。
(3) 水をまいたときの方が 長いきょりをすべる。

ほのか:氷の表面の状態が変わると,すべりやすさが変わるのね。
お母さん:どういう状態がすべりやすいかが分かれば,すべりにくいように工夫することもできるわね。
ほのか:急カーブなどでタイヤがすべるとあぶないものね。
お母さん:道路や床ですべるとあぶない所では,表面にすべりにくいような工夫をするといいわね。」
ほのか:どのような工夫をしたらいいかしら。

問題4 
お母さんは,「道路や床ですべるとあぶない所では,表面にすべりにくいような工夫をするといいわね。」と言っています。あなたの身の回りなどで,すべりにくい工夫がされている所をあげ,どのような工夫がされているかを説明しなさい。また,そのような工夫をすると,なぜすべりにくくなるのかについても書きなさい。
模範解答例
すべり台などの鉄でできた階段は,表面にもようをしてある。そのため,雨が降っているときには,出っぱっている所には水のまくができないので,すべりにくくなる。

2【独自問題】

 よしこさんが妹のくみこさんと積み木で遊んでいるところにお父さんが帰ってきました。 

お父さん:ただいま。 よしこ、
くみこ:お父さん,お帰りなさい。
お父さん:何をしているのかな。
くみこ:お姉ちゃんと積み木で遊んでいるの。
お父さん:楽しそうだな。どんな積み木なのかな。
よしこ:積み木は二種類あって,立方体と三角柱があるの。その三角柱を二つ使うと,立方体が作れるよ。
お父さん:それでは,三角柱の展開図は分かるかな。
よしこ:三角柱の展開図ね。学校で習ったから分かるよ。 

よしこさんとくみこさんが遊んでいる積み木の説明
立方体の積み木は、1辺が6cmである。三角形の積み木は高さは6cmで、2つ使うと立方体の積み木と同じ大きさ、形を作ることができる。
問題1
よしこさんとくみこさんが遊んでいる三角柱の積み木の展開図をかきなさい。ただし,
展開図では,面と面は辺でつながるようにし,点でつながらないようにすること。また,図
1の長方形を参考にして,同じ長さの辺には同じ記号(○,●など)を付けること。
模範解答例
解説の図2を参照のこと。

よしこさんとくみこさんが遊んでいる積み木を使って,お父さんが立体Aを作りました。
くみこ:お父さんが作った立体Aは,おもしろい形をしているね。
お父さん:この立体Aは三つの段を重ねてできた立体だよ。立体Aの上から1段目,2段目,3段目と数えよう。
よしこ:1段目は,三角柱1個,2段目は,立方体1個と三角柱2個,3段目は,立方体3個と三角柱3個だね。それぞれの段が大きさのちがう三角柱になっているね。
お父さん:その通りだよ。底面の辺に注目すると,2段目は1段目の2倍,3段目は1段目の3倍になっている。4段目以降も同じルールで考えて,もっと大きい立体を作ってみようか。
くみこ:もっと大きい立体を作りたい。でも, どれくらい積み木が必要なのかしら。

問題2
 (1) 5段目を作るためには,立方体と三角柱はそれぞれ何個必要ですか。
(2) 1段目から10段目までを重ねてできる立体には,立方体と三角柱を何個ずつ使えばよいか答えなさい。また,そのように考えた理由も説明しなさい。
模範解答例
(1) 立方体...10個,三角柱...5個
(2) 立方体...165個,三角柱...55個/理由...(例) 1段目から10段目にかけて,立方体の数は, 0,1,3, 6,10, 15, 21, 28, 36,45となり、1段目から10段目にかけて,三角柱の数は, 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10となるので,立方体と三角柱の個数は,それぞれ165個,55個となる。

よしこ:立体Aは変わった形だから,模型を作って,友達に見せるわ。 お父さん:それは素敵だね。お父さんの部屋に工作用紙があるから,それを使っていいよ。立体Aの模型を作るときに,段が重なっている部分は工作用紙を使わないようにしようね。
よしこ:お父さん,ありがとう。どのくらいの工作用紙が必要で,どうやって切ればいいのかな。
くみこ:お姉ちゃん,私も切るのを手伝う。はさみを持ってくるね。

問題3
(1) 立体Aの表面の面積を求めなさい。ただし,段が重なった部分は計算しないものとし,一辺の長さが6cmの正方形の対角線の長さは8.5cm として,計算しなさい。解答用紙には,式と答えを書きなさい。
 (2) 縦36cm,横48cm の工作用紙を使って,立体Aの模型を作ることにした。どのように工作用紙を切ればよいか,下の注意に従って解答用紙にかきなさい。

注意1:工作用紙の1 ますは縦6cm,横6cm とする。
注意2:長さを正確にかくことが難しい辺は,およその長さでかいてもよい。
注意3:問題1の展開図のように全てがつながっていなくてもよい。 注意4:はさみで切る所は実線( ),折り曲げる所は点線(---------- )でかく。
注意5:切り取った紙どうしは,テープで付けるので,のりしろは考えなくてよい。 注意6:切り取った紙の枚数は8枚以内とする。
模範解答例
(1) 36×12=432, 8.5×6×6=336 ,6×6÷2×9×2=324, 
432+306+324=1062,よって,1062cm2
(2) (例) 解説の図6を参照のこと。

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