『錆付くまで』 聴くたび錆付き、同時に新生するような。

『錆付くまで』の感想です。

____あなたはこの拙文に耐えられるか?

『エンドゲヱム』
聴き始めた頃、「ぐりんぐりん」で『ピタゴラスイッチ』のピタゴラ拳法がよぎって集中を妨げられた。やめるんだ。
お空は「見下す」。よく考えたら自分は空に対して、善いイメージばかり抱いていた事に気づいた。空は下界を「見守っている」とか。確かにそういう考え方もできる…。
みんながみんな平等に生きようって綺麗事だよな。

『悪夢のララバイ』
syudouさんの作る、ダークで、所々にキラキラした音が聞こえる曲が、まさに中毒性のある「悪夢」のようだと思った。
脳内で「見て!語りパートにも定評のある遊さんよ!」とざわめくモブたち。
醒めたい「悪夢」と眠りに誘う「ララバイ」。女性が起き上がり、笑顔を見せるところで終わるMV、彼女は本当に目覚めたのだろうか…。

『es』
ヘッドフォンで聴いて最初に出てきた感想は「わぁめっちゃぷつぷつする!」だった。こんなんでええんか。
esの意味を調べてみたら、「無意識の領域にある本能的欲求・衝動。精神学者フロイトが自我を3つに分けた内の、最深にあるもの。精神エネルギーの源泉」というものがあった。タイトルはここから来ているのだろうか…?
展開の読めない曲。歪で、破壊的で、愛への執着が凄まじい。
そして安心と信頼のマロン菩薩さん。

『アノニマス・エゴイズム』
カッッッコいい。「匿名希望」の歌い方とか、ビックリした。
アノニマスって言葉、海外のネット掲示板では「名無しさん」の意味で使われているらしい。「黒塗りの鏡」でパソコンやスマホ等のモニターを思い出した。『匿名 歌ってみた-遊』が聞きたくなる。
「あんな人間にはなりたくない」と思いながら、自分にも同じような一面がある。それは辛いけど、清廉潔白な人間なんていないんだろうな…。

『君を論じたい』
Spotifyで聴いて一目惚れし、動画投稿を心待ちにしながらずっとリピートしていた。てにをはさんの言葉遊びと遊さんの歌い方、今回もすごく癖になる。
こやつ、危ねえ…あんな下がり眉だったのが、「論じたい論じたい論じたい…」から、笑い声を響かせてキングへと変化するの…痺れる。
あとコンセプトブックに書いてあるゲテモノの説明が好き。

『アート』
「結局無法な英雄」。善と悪が居るというよりは、互いの正義がぶつかり合う場合は、たくさんある。その事を忘れなかったら、誰かと対立の立場に立つことがあっても当たり前だって思える。少なくとも。そこから、なるべく平和的に解決できたら良いんだけどな…。

『Tisa』
歌詞を読んでいると、個人的に『Ithna』がMVの白髪の子(この曲の「天使」)視点、これはMVの黒髪の子視点の曲のように思えてくる…説。
「ティスア」、言葉の響きが綺麗。
最後の「吐いて 吐いて 吐いて」からの所、心にくる。許されないことなのは分かってるんだって、苦しみ、もがいている…。

『カトリーナ』
遊さんの『撒爾沙』歌ってみたがすごく刺さったから、楽園市街さんの曲楽しみだった。
脆く繊細な歌い方から、「褫え。」で急速に増すスピード。緩急に息が詰まる。
美しく、背徳的で、危険。そんな世界に取り憑かれてしまう。

『ダリア』
この曲から、ずっと一人で悩み続けていたことに関する気付きをもらった。「些細な罪を犯さぬように自分で手錠をかけたんだ」、自分の現状もまさにそれだ!と。そしてサビで活力をもらった。ダリアみたいに彩り豊かに、気まぐれに生きたい。
心地よく弾む曲。MVも見たいんだ。
蜂屋ななしさん、ありがとうございました!!

『Coquetterie dancer』
この曲を聴く前は、なんとなくいつも心を整えるようにする。部屋を明るくして、テレビから離れて見るみたいに、集中して聴く。
体も心もすり減らして生きているエンターテイナー。ステップを踏むような歌。唯一の心の支えである「あなた」も、(おそらく)空想の自分。あの結末を、本人自身はどう思っているんだろうか…。
コンセプトブックを読んで、映像があんなにも曲にマッチしている理由を知った。男の子(通常の姿も、暴れまわってる方も)の表情とかモブのデザインとか、ヤスタツさん作のキャラクター達もすごく魅力的。

『ハチェット』
遊さんのアルバムでは、最後から2番目がもはや定位置のMahさん。Mahさんの曲は、終わった後の余韻まで好き。
タイトルの意味を調べたら「小型の斧」って出てきてビクッとした。フォークで突っつかれているような、聴いているとじわじわと侵食される曲にこのタイトルだから、更に怖さがある。
でも斧でいっそ切り落としてしまった方が、侵食され続けるよりは楽なんだろうな。

『輪廻転生』
めっちゃ跳ねる(2番の「てて天上天下」、言いたくなる)。あと「百戦一勝ぽっちでいいのに」の前で、今度はブルゾンちえみが使ってた曲(『Dirty Work』)がよぎってしまった。やめるんだ。
「つまりはそろそろ僕の番だ」←ここにっこりポイント
永い時のことを歌う詞だけど、「一」っていう小さい数がよく出てくる所に、なんだか深みを感じる。
目を瞑って聴いていたら、ラスサビ後少しの間、緑に輝く空中都市のようなものが浮かんできた。…天竺?
シャノンさん、前にツイッターでインドダンスの話してた気がする(自信ないけど)。ここに関わってくるとは思ってなかった笑
生命の原理とか、隠された秘密とか、数多の考え方があるけれど、この考え方は興味を惹かれる。

やはり、書き下ろし曲×12は、もの凄く、濃い。各曲について考えるほど、思考のトンネルから抜け出せたり、更に深みに入っていけたりする。ジャケットの絵のように。

◆対談CD◆
小学生だった当時から楽しく聴かせてもらっている曲、『古書屋敷殺人事件』。過去に作ったもの。昨年のライブ……内容盛りだくさんだった。
まさか質問拾われると思ってなかった……言葉にならない。ありがとうございました!てにをはさんの答え、想像したらすごく、冒険がしたくなった。遊さんの選んだ人も、確かになってみたい。自分は1年持つか怪しいけど…。あとハーレム笑った。
いつかまたお二人のトーク聞いてみたいな~。

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