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2023.7.1

6時リビングにて。
明かりもイヤホンもつけたまま寝てしまったらしい。体にはうっすら頭痛が、がっつり昨日のアルコールが現れていた。

こうなってしまったら後悔しても遅いことはとうに知っている。僕はすぐにでも、ほとんど口をつけただけの缶チューハイを片付けベッドに向かうべきだ。ベッドに飛び込みまた浅い眠りにつく。

9時自室にて。

「ふみくん、起きないの?」

そこにいるはずのない甥っ子の声で目が覚めた。彼は近くには住んでいないし、そもそも来るって聞いていないし。先述のアルコールもあり脳は慌てふためいて要領を得ない。
しかしなんとも愛おしい存在が持つ力はすごい。

「起きよっか。」

7時から等間隔で朝を伝えてくれたスマホには若干の鬱陶しさを感じるほどだったのに、彼の目覚ましボイスには笑顔でこう答えられた。

リビングに降りると兄が背広を着ていた。
義理の姉の身内に不幸があり、49日で地元に帰ってきているらしかった。よく見ると甥っ子もシャツを着ていた。

10時30分電車にて。
僕にだって予定はある。
11時から会社の試験があり、
14時からはスタジオ練習があった。

ギターを持って会社の試験会場に向かおうものなら「なんやこいつ。必死に楽器やってますアピールするやん。」などと思われてしまう。
これ以上の悪目立ちは不要だ。

先にスタジオに向かい荷物を預け、その足で試験会場に向かおう。完璧だ。なんて考えられる人間なんだろう。そのために早めに家も出たし、とふと時計を見た。

まだ目的駅にも着いていないのに、11時まであと20分しかなかった。会場は駅から歩いて17分かかるらしい。直行しても遅刻しそう。
なぜ。確かに電車の時間は調べていなかったけど。確かに早めに家を出たと思っていた。なぜか。早めに出てると思い込んでいた。

思い込みの力って恐ろしいですね。
僕はそれで大学を留年したり、人を怒らせたりしてます。

かくして僕はスーツ姿にギターを抱えた状態で試験会場に向かうこととなる。ロッカーもない。なんか宴会とかもできる会場なのに。ロッカーぐらい置いといた方が人気出ますよなどと頭の中で勝手に会場の運営方針にケチをつけながら、エレベーターに乗る。

5階に着く。チンと音がなる。扉が開く。
20人ほどのくたびれた顔した大人たちが僕を見る。恥ずかしさと暑さと荷物の重さで汗が吹き出した。

体を極限に小さくさせて移動し、知り合いを見つけるや否や「違うんですよ。」と言い訳をし始めた。なんて情けない人間だ。

とにかく誰にも見られないところを探し、パーテーションで遮られ余った椅子などを置いている備品入れのようなスペースにギターたちを避難させた。

試験が始まってもギターのことが心配で集中できない。もとより試験勉強なんて皆目していないから集中できないのは当たり前なのだが。

無事試験は終了しギターも無事。
誰にも見られないように全員が帰るまでトイレで時間が過ぎるのを待つ。人気がないのを確認し念の為、階段を使い会場を後にした。

13時マクドナルドにて。
トラブルはあったがともかく1つ目の予定は終了。スタジオの時間までは少々ある。
お昼でも食べて向かおうと席に着く。
最近はもっぱらモバイルオーダーを利用する。
先に席につき、アプリで注文し自席を入力すれば席まで運んでくれる。

最初は店員にそこまでさせるのが申し訳なくて、オーダーはアプリでして取りに行っていたが人間はなんとも自分に弱いもので一度あげてしまった生活水準を下げることは難しい。めちゃくちゃ便利。

今日も同じくモバイルでオーダーしてやろうとスマホを開いた瞬間に、

「A1です。」

スタジオの部屋番号がバンドメンバーから送られてきた。2つ目の思い込みである。
スタジオの予約時間は14時でなく13時だった。時すでに13時05分。遅し。
「向かってますワン」などと超弩級に濁したお茶で返答した。

幸いメンバーに怒られることなく練習は終わった。楽しかった。ライブももっとしたいですね。

16時バーガーキングにて。
スタジオ終わりに少しみんなと話した。
僕は18時30分からスタジオ付近で母と兄と飲みに行く予定が最後に控えていた。少し時間もあるしメンバー数人が別で組んでいるバンドの練習を少し見に行った。友達にも会えたし、いい曲も聞けたし、よかったなー。けどまだご飯までは時間があるし、一度帰って荷物を置いてまた家族とここまで出てこようと考えた。

18時自宅にて。
帰宅し、重い荷物と暑苦しいスーツを脱ぎ捨て出かける準備をしていた。僕のいそいそ感に反し、母と兄は悠長に準備していた。そろそろ出ないと予約に間に合わないのでは、と伝えるもポカンとしていた。

3つ目の思い込み。
予約したお店は地元のお店だった。
スタジオ付近の街まで出てくる必要はなかった。なぜそう思い込んだは全く見当もつかない。やはり自分自身のことは自分が一番よくわかっていないらしい。

あまりの情けなさとどげんかせんといかんという内なる東国原が僕を日記の世界へ手を引いた。

文字に起こして客観的に見てみるとなんとも酷いっすね。いつか思い込みで死んでしまわないように気をつけます。

そして文章力の低下も目にあまりますねこりゃ。もっとウィットに富んだ文章だった気がするが、まぁそれも思い込みでしょうね。

それではまた。
おやすみなさい。


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