西洋占星術(ホロスコープ)について

こんにちは、ベンディです。

今回は、私が取り組んでいる西洋占星術について、かんたんにどういったものなのかをご紹介したいと思います。※西洋占星術についてほぼ知らないという方向けの基本的な内容となります

西洋占星術とは

西洋占星術とは、地球上からみた天の星の配置から世相や個人のパーソナリティなどを読むものです。紀元前の古代バビロニアの時代に技法の原型が出来たと言われ、星と地上の出来事の間に規則性を見いだして天候や疫病、戦争の行方などを予測していたと云います。長い年月を経て体系化・細分化していき、近代になっていわゆる出生占星術(出生時の星の配置が個人の性質や運勢を形づけるというもの)が主流になりました。占星術には他に、国家社会の動向を読むものや命題を決めて設定した瞬間の星の配置を読むものなど様々な種類がありますが、現在私が取り組んでいるのはこの出生占星術(ネイタル・チャート)になります。

ホロスコープとは

占星術で使うホロスコープ(チャート)とは地球上からみた星の配置を平面図に表したもので、一枚の図に膨大な情報が詰まっています。いわゆるテレビや雑誌の星占いでお馴染みの「○○座」というのは生まれた時に大陽が位置していた星座のことを指していますが、これは西洋占星術を簡略化・大衆化したものです。占星術では大陽以外に月から冥王星までの太陽系10天体やそのほかの小惑星など複数の感受点を取り扱い総合的に読んでいきます。大陽星座占いは星座ごとの大陽の意味をベースに性格を12パターンに分けるようなものですが、西洋占星術で扱うホロスコープに示されるのはその個人唯一の配置です。星は常に動いていてすべてが全く同じ配置になることはなく、誰ひとり同じ人間はいないようにその日その場所でその時刻の星の配置はそれだけです(と、聞くだけでめちゃくちゃわくわくしませんか)。

ホロスコープのおもな構成

こちらが西洋占星術で扱うホロスコープです。例として今年2022年3月21日春分の日、東京のチャートです。

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円は地上からみたときの大陽の通り道である黄道を示しています。円の中心にあたるのが地球(観測者)で、横に走る濃く描かれた線が地平線を示します。地平線を境にして上半分が大陽が昇る昼間を、下半分が大陽が沈んだあとの夜を示します(上半分が南半球、下半分が北半球)。この春分図では大陽が地平線の下、天底近くにあるので深夜のチャートということがわかります。※時刻:0時34分  

円の外縁にあるカラフルなマークが12星座で、牡羊座(♈️)から魚座(♓)まで半時計まわりに配置されています。この12星座は黄道を均等に12分割して区分けしたもので、天体の位置を明確にするために設定された空の番地のような役割です。実際の天文的な星座と区別するために占星術では星座のことを「サイン」と読んでいます。

円内側にあるマークが天体を示します。わかりやすいところでは三日月が月を、円と黒点(◎のようなマーク)が大陽を示していて、上の春分図で言えば月が天秤座♎️の終わりにあり、大陽が牡羊座♈️の始まりにあることがわかります。※12サインは360度の円を12分割したものなので1つのサインの領域は均等に30度となります(30×12=360)。天体に添えられた小さい数字はその天体が具体的にどの位置にあるのかを示すものです。例えば毎年春分の日付近は大陽が魚座の29度から牡羊座の0度に入るタイミングとなります。

天体=10種類の意識 サイン=性質の方向性

個人の意識は主に10天体の複合で成立しているというのが占星術の核となる考え方です。天体それぞれに意味があり、例えば大陽は意識的な個人の生きる目的や自我(アイデンティティ)の方向性を示し、月は無意識的な個人の感情の在り方や幼児の時から慣れている習慣や癖などを示します。天体が位置するサインによりその天体の性質が色づけされ、天体同士が相互に影響しながら内的性格(自意識)が生まれる、というのが基本的な捉え方になります。※天体間の位置(星相)において特定の角度をとることを「アスペクト」といい様々な種類があります

ハウス=12の活動領域

天体で示される意識が実生活においてどのように発揮されるかに関係するのが、ホロスコープの円を12の領域に区切ったハウス(室)というものです。円中心付近にある1から12までの数字がそれにあたります。

たくさんのハウスシステムがありますが、私は一般的に多く用いられているプラシーダスというシステムを使っています。12サインは必ず30度ずつで均等であるのに対し、プラシーダスにおいては各ハウス(室)の大きさは必ずしも均等ではなく大きさはまちまちです。ハウスは地上における場面(シーン)ごとの行動指針や価値観で、天体の自意識が実際の態度や言動としてどのように現れるかは天体ハウス間の絡み・バランスにより変わります。逆に言えば、ほぼ無限とも言えるそれらの組み合わせによって一人一人のキャラクターの個性が形づけられると考えます。※ハウスは生まれた時刻や場所が判明していないと使用できません

例えば1ハウスの始まり(チャート左端)はアセンダント(ASC)または上昇宮といい、黄道と東の地平線が交わる地点になります。産声をあげた瞬間に大陽が昇る地平線上にあったポイントを指し、春分図の例でいえば射手座(♐️)です。個人のチャートでは自分自身、つまり生命としての個人の在り方を指し、直感的ふるまいや反射的に出る癖、纏う雰囲気などに関係すると言われています。上昇宮のサインは本人にとっては無意識的なことが多いのですが、身近な人からみるとその人のイメージとしてわかりやすいようです(第一印象を決定づける上で大きな要素でもあります)。

1ハウスを例にしましたが、勿論残りの11ハウスそれぞれに意味があり、天体の有無やコネクトしている天体の状況によって発現の仕方もほんとうに人それぞれです。

ホロスコープ=天体、サイン、ハウスの統合

「ホロスコープを読む」とはつまり、主役である天体がどのような性質(サイン)を持ちどの領域でどのように発現するのか(ハウス)を読みとり、相互の影響を考えながら全体を統合していく作業ということになります。※大きく分けると天体ハウス間の影響と天体×天体間の影響で、天体×天体間の影響というのが前述のアスペクトになります

ホロスコープ自体はたくさんの記号(象徴)の集合でしかありませんが、それぞれの象徴についてしっかりイメージを膨らませた上で全体を俯瞰してみたとき、全体像としてのストーリーが浮かび上がる瞬間があります。さらに細かくみていけばいくほど、そのチャートの持ち主の意識の方向や思考の癖、感情の持ち方が鮮明に認識できるようになっています。その豊かさに触れる時、複雑さに身構えてしまうと同時に奥深さに魅了されます。

以上、占星術、ホロスコープについて大枠だけ紹介しました。なにしろ大枠も大枠なので、それぞれのより具体的な内容についても今後書いていきたいです。特に星を読むことの楽しさを伝えたい!ということで、リラックスしながら日々気づいたことなど少しずつ発信できればと考えています。




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