![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36794355/rectangle_large_type_2_ea8490c40f1513dfbce192235ca51dc8.jpg?width=1200)
10/16 店は勝手にきれいにならないし、料理は勝手においしくならない。
6:00
open準備中。
鍵を開け、中に入ると、時間の経った建物と食べ物の匂いがする。
僕はそれが、どちらかといえば好きだ。
匂いと時間は混ざり合って、最後にそこにいた者の気配になる。そこにいたのだ、たしかに。そしていなくなった、そこに今、僕が来た。
この、店の匂いと時間と気配を、web上でも、架空でも、僕は感じたい。そのために自分の表現を使いたい。言葉や写真や音や、つまりはコピーや模倣をいくつも組み合わせて。
窓を開け、空気を往来させる。朝がずいぶん寒くなった。
掃除をする。次にここに来る人へ、店主の気配を表すために。
落ち込むような出来事がたくさんあった、ニュースなんか見ないようになった、空を見るようになった、雲が飛んでいた。
今日のコーヒー豆のストックは、50g。4人分。
1杯は僕がいただくので、あと3人、ここに来てほしい。そんな数え方でもいいんだろうかと、ひとりの店主は思ったりします。
6:30
openします。
13:30
といっても、ここは自宅なのですね。
小学校に行く長女が、一緒に行く町内の子たちと7:15に待ち合わせているからバタバタとモーニング。鼻水の多い次女も、みかんモーニング。自分のパンを焼きながら、台所に立って用意する。コーヒーも淹れます飲みます。妻は自分のお弁当を作ります。父と母もそれぞれに毎日のことをしています。
僕だけが、架空の星粒憩食店とか言って頭ん中で楽しんでるわけです。
いってらっしゃい。
次女を保育園にやっと連れて行ったのに、ふとiPhoneを見ると、保育園から着信が。
少し熱があるようです。
迎えに行きました。
その前に少し、母と仕事探しについて話しました。
架空で店やるのも大変です、現実さんはいつもそばにいます。
熱が出ても鼻が出ても、子どもは元気です。遊びを休むことはしません。見習わなければなりません、僕も遊びを休まないのです、元気のために。
14:16
小児科をネットで予約して15:30に受付なのだが、そのタイミングで昼寝しちゃったらどうしようと思い、先に寝かせる作戦で、1時間半も早く車に乗せて家を出て、大成功、5分走ったら寝た。1時間くらい寝てほしいけど、他人がどれだけ寝るかなんてその他人次第だから、他人の睡眠にあれこれ言うのはやめたい。僕は早起きが体に馴染んでしまってアラームなしで4時台に起きるし、夜早く眠たくなり滅多に遅くまで起きていられない。
近くの海浜公園の駐車場で、潮っぽい風の音と鳥の声と、次女の寝息を聞きながら休んでいる。
僕は、架空の店で表現をしながら、主に家事をして生きていたい。出稼ぎのようにたまにバイトしてそれでうまいものを月に1度外で食べたり、年に1度ふかふかのベッドに横になったりしたい。身の丈というものがあるのだ、誰にも、僕にも。欲しい、と、欲張る、は、違う。したい、と、させて、も、違う。
僕は店で店番しながらでも、こういうことをよく考えていたし、朝4時台に起きて布団の中でまったくくだらない昨日の後悔や世間の騒ぎを振り返っている時も、考えをやめていない。それを書くことを昨年の9月に始めて、それを元に絵を描いて絵日記にすることを今年の6月に始め、それにも少し飽きてきてこうやって文字を打つことにした。
19:18
楽しいよ、今日。
お客さん(架空)は家族だけ!でもいいんだ、架空なんだから、稼げなくても。
夕飯は昨日の残りの、新潟の郷土料理のっぺ(母作)、塩豚の茹で汁で煮た大根、それにもやしの鶏出汁スープ、ご飯。
麦とホップの黒と、キリンクラシックラガーを開けて、妻と分けて飲んだ。
つまみに、追加で鶏ハムをオリーブオイルで焼いて胡椒とクミンをかけたもの。
父と母が、妹んちの長男(中2)を学校終わってから整形外科に連れていく任務があるので今日は外でご飯食べてくるということで、珍しくこの時間に家に4人。
風呂に入って21時には2階に上がって寝たい。
今日は閉店します。
架空の店じゃなく、架空の見世物なんじゃないかなと思ったりした。
ぜっんぜんわかんないけど、楽しんでやってみる、書いてみる。書きたくないことは書かない。出したくないメニューは出さないのと同じように。
20:20
こうやって絵を描いて見せてくれる娘も、「見世」をやっているんじゃないかな。自分の中にある世界を見せたいと、思った瞬間に見せてしまえばいい。
20:58
今日2才の次女が、「コーヒー」と言うのを初めて聞いた。
「パパの、コーヒー?」
「そうだよ、コーヒー。」
明日は何を、初めて言うだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?