愚者に持たせてやりたい歌|DREAMS COME TRUE 『TRUE,BABY TRUE.』
タロットカードには、西洋占星術で扱う12サインや天体にあてはめられる札がある。たとえば大アルカナでいうと、牡羊座は『皇帝』なのだけど、その経緯や意図はともかく(先々学んで腑に落としたい)、牡羊座というサインのあらわす雰囲気には、『皇帝』よりも『愚者』のあり方がものすごくマッチしているよなーーって、もうずっとおもっている。
『愚者』の持つ意味は、
この、『愚者』の突破力は牡羊座に通ずる、そうおもうのだ。
ちょうど今、牡羊座のシーズン。
四季のあるところでは、種まきや芽吹きの季節。暮らしのうえでも新年度、新学期のスタートを迎えるこの時季を、自然のリズムに合わせようって決めたヒトビトは、各種事情ももちろんあっただろうけど、いいセンスがはたらいてたとおもうんだ。
そしてこの春の節目には、花と歌が添えられる光景も、ちいさいころからよく観てきた。公の場でもそうだし、個人的な心情がおおきく膨らんで溢れるところにも、花の佇まいと歌というやさしい器がある。
あるお友達とオススメの曲とか本とかをやりとりをする中で、教えてもらった歌を聞いたり、こちらがオススメする曲をあらためて聴き直して、メロディと歌詞と声に載って届く“すべて”に胸を打たれて、こうやって文章書いている。
あたらしい旅に出た『愚者』は万能感に満ち満ちて、己のチカラを駆使して道を切り拓いてゆく気だ。ゴツンゴツンとあちこちにぶつかりながら運命を刈り取り、途中で内省したり、再出発したり悪魔と結託しそうになったり、幕引きや裁きを受け容れ、またチカラを得て旅の終わりに到達する。
なんの心配もなく歩き始める『愚者』に、もしひとつだけ歌を持たせてやることができるなら、どんな歌を選ぶだろうか?
出発のファンファーレにふさわしいもの、ロマンスに寄り添うもの、危機的状況の効果音みたいなもの、最後のフィナーレを飾るもの、、、いろいろ思い浮かぶけれど、わたしは、自分自身の転機に、たまたま日常生活に舞い込んできたあの歌を選ぶだろうな。
リリースされた当初はまったく知らなくて、そのずっとずっとあと、不意にキャッチして、それまでの自分の考え方とか受け取り方が、「え…。???えっ…?」って、180度変わったかもしれない。そんな歌。
子どものころは、自己主張激しい同士の弟とケンカしたり、外で転んでヒザ擦りむいたり、数日に一回は泣いてたんじゃないかな。
社会人になっても、入社5~6年目くらいまで、一年に一回は出先だろうが社内だろうが、人目をはばかりたい気持ちとは裏腹に、耐え切れずにわりと泣くほうだったとおもうけど(悔し泣きもあれば、感謝の気持ちの高まりあり、なんてことしてしまったのかという猛省あり、今客観的におもうと年輩者から若手に対する八つ当たりを喰らっただけじゃねーか、というのもあった)、いろんなフィードバックを受け、同じ轍を踏まぬよう足元に気をつけるなどしてるうちに、いつしか泣きにくくなってた。なんでもかんでも自分が被らなくてもよいのだと、年相応に面の皮が厚くもなったのと、ほんとにダメージを受けているのに泣き場所がよくわからなくなってたのと、これまたどっちもある。職を渡り歩いていっぱい寄り道して、いろんなヒトたちの立ち居振る舞いにも学んだ。今はもう泣かないまでも、弱音を吐くことはある。そのときの立場や場所は選ぶよね。
美和ちゃんが歌うように、この気持ちさえ忘れずに、ちゃんと出すもの出せていたら、だいたいのことはまた踏ん張るまでチカラを蓄えよう、っていう地点に立てるとおもう。
星の一葉 ⁂ ほしのひとは
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