虫の楽園。
数日ほど家をあけて帰ってきたら……
庭がものすごいことになっていた。
いわゆる草ボーボー。
畑のナスの枝が伸びに伸びて、隣のピーマンを容赦なく覆い隠している。
こういう状態になると、もはや、やりたいかやりたくないかではない。
やるしかないと思い、あちこち蚊に刺されながらも黙々と草取りをした。
庭にはたくさんの虫がいて、朝早くからエライ勢いで草取りをするもんだから、とんだ迷惑だろう。
ダンゴムシなんて見たこともない速さで逃げていく。
草取りをしながら、人間が手を加えない自然と、手を加える自然とではどちらが豊かなんだろうと考える。
そんなの絶対、人が入らない方がいいに決まっていると以前は思っていたけれど、土を掘り返して柔らかくなった地面を這うミミズを見つけたり、お水をあげた草花のまわりを踊るように舞う蝶を見ていると、人がいることで成立する自然サイクルというのも存在するのかな、と感じるようになった。
そうだったら、いいな。
顔3つ、足と指にそれぞれ1つ、合計5つ……
しっかり蚊に刺されて、草取りは終了した。
少しは見られるようになった庭で、元気にバッタが跳ねていった。
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