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父と娘

最近、わたしは父から何を教えられ、受けとったのだろうと考える。

父は少し変わった人だった。
穏やかで、本や自然を深く愛し、知的な人だったが現代的ではなかった。

どこか古く、暗いなかで爆ぜるたき火の気配をまとっていた。

父のくれた本のなかでも特に気に入っているものに手を伸ばし、
ページをめくる。

久しぶりの読書に、最初はぎこちなく文字をたどっていた視界がだんだんと滑らかになった頃、すっと子どもの自分に戻ったような感覚に陥った。

たぶん、本はわたしの居場所の一つなんだと思う。

父は本をくれただけではなく、心を守る術を教えてくれた。

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