脚本製作中リアルタイムメモ(40)

どうも感情的に面白くない理由がわかった。

カリナが死なないから。死の恐怖を味わう事がないから。

恋ケ島で鬼の7場で延々と一人台詞をやったのは充分に恐怖を味わってもらいたかったから。 ダンサーインザダークも奇跡の海もそうだ。

羅生門で気持ち良くないのはここだ。
つまり最後に本人が気持ち良くなる話だから。
あんのこと、は本人が絶望していく話だから良い。

つまり地獄を描いても最後に幸せになるならばそれは絶望では無い。
逆に天国や日常を書いても転落していけばそれは絶望。
そういう意味ではモチーフにする話は転落する話が良い。
だから明日に向かって撃て、とかかな。
見た目は明るくても最後に向けて疾走していくならば、それは絶望ゲーム。
砂の城もそうだ。 
幸せを希求しながら、恐怖と幸福の綱渡りをしていき、そして綱が切れる。

そういう話がいい。
すると、羅生門は捨てた方がいいかもしれん。

割と幸せ目に見える学校生活。
だが陰でシロアリに冒された家庭環境。
見せかけの幸福。
そして、最後はどうなる? 殺されるか犯罪者になるか。
逮捕されるか。復讐されるか。
ヤク中で転落するか。
常に転落の恐怖と幸福の絶頂を行ったり来たり。
光輝に満ちた世界を味わう時間が欲しい。
妖子のように。