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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その141

娘と対州馬ひん太 ⑦


「馬は、人間の人柄を見抜く」と言いますが、娘にも同じような素地がありました。

私がはじめにひん太を飼い始めた時、借りていた放牧地の所有者は、大変反社会的な部分がありました。つまり法律など、自分の都合のよいように解釈していて、まったく遵守するという姿勢の無い人でした。
私は対州馬ひん太の為に最低限その男と関わっていましたが、正直つき合いたくないと思っていました。
ひん太の横で飼養している5~6頭の馬たちも行政に届けていない違法飼育であり、狭いトタン屋根の馬房に一年中つなぎっぱなしというひどい飼い方をしていました。
そのくせ施設には馬の名を使い、ホームページにはホースセラピーなどを語っていたのですから、まったく良心の欠片も感じられませんでした。
馬のところにも、自分が気が向いたときだけやってくるという感じでした。

ある夕方、娘とひん太の世話をしていると、その男が横の馬のところにきていました。
何人かの「馬を玩具としか思っていないような連中」と広場で何かをやっているようでした。
当然私は知らん顔をしていたのですが、その男は娘が来ていることに気付いたのか、普段はまったく近寄ってもこないのに、その時だけはニヤニヤしながら、近づいてきました。
私は「娘に興味を示し、何か話しかけたいのだ」とすぐにわかりました。
非常に不快でした。
しかし、娘はその男と一度も話したことは無いのですが、その男の姿を確認するや、柵とは反対側の奥の方へ行って、その男の方には顔も向けず、ひん太の世話作業を黙々とやり続けました。
男はしばらく何かお愛想のようなことを言っていましたが、娘の態度を見ると、諦めたのか、しばらくするとその場を去りました。

私はこのことが内心、非常に嬉しく爽快に思いました。


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