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今更だが、私は高校時代、実際何ひとつ学んでいなかった

私は、長崎にある県立長崎北陽台高校の一回生である。
そもそも私が、この高校を志願したわけではない。
その頃、総合選抜と言って、当時市内にあった4校に、この北陽台を加えた5校に、受験後、振り分けられるということで、この学校に入学が決まった。

この学校については、正直口にするのもおぞましいのだが、それはさておき、第一回生の中から現役で東京大学の医学部に受かった者が出たというので、当時ちょっと話題になったことがある。
つまり、高校時代の3年間は、ひらたく言えば、「ただ大学合格率=学力試験への暗記率を上げる為の人間工場」に投げ込まれただけだったのだが、先日、改めて、そのことを認識させられた。

NHKで「バタフライエフェクト」という番組がある。
歴史番組なのだが、面白いので、録画してたまに観る。
娘の話では、中学か高校の授業でも見たことがあるそうだ。

この日の内容は、英国王室についてだった。
特に印象に残ったのは、「エドワード8世」と「ジョージ6世」という、二人の英国王。
実はこの二人、実の兄弟なのだが、二人のキャラクターは、あまりにも違った。
最初に即位したエドワード8世は、容姿端麗で明朗。「プリンス・チャーミング」などと呼ばれ、ちやほやされた。
しかし、既婚者であるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンとの不倫の恋に堕ち、在位わずか325日という短命で、自ら王位を棄て、歴史から消え去った。

一方、兄と違って、非社交的で地味な存在であったジョージ6世は、吃音もあるということから、当初まったく「期待されない」地味な王であった。
しかし、時は第二次世界大戦に突入していく時代。
ヒットラーのドイツに対抗すべく、ジョージは、トレーナーをつけて演説の練習をするなどして、英国民に団結を呼びかけた。
その甲斐もあって、英国は戦いに勝利し、ジョージは国民からの厚い支持を得た。在位期間は15年以上に及んだ。

その後、2022年に亡くなったエリザベスや、チャールズ、ダイアナ、ウィリアム、ヘンリー、キャサリンと続いていくのだ。

この45分あまりの、たった一回のテレビ番組の方が、高校時代の時代の、あの長く苦痛に満ちた3年間の「暗記強要時間」よりも、遥かに勉強になった。
少なくとも、この番組の後、私の興味は、更に拡がり、英国王室について自分でいろいろとネット上で調べてみた。
高校時代に、強要された「エドワード8世」とか年号といった暗記事項は、試験直後に、すべて消えていき、その後の人生に何の影響ももたらさなかった。他の教科や行事なども大同小異であった。

あらためて、「私は高校時代、実際何ひとつ学んでいなかった」と感じた。
また実際、高校卒業直後の私は、とんでもなく、くだらない馬鹿者であった。
その愚かさに嫌気がさし、少しはまともになりたいと思ったのが、私が教師を志したきっかけと言ってもいい。




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