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地方競馬の一厩舎を支援している個人の方の告白

次の引用は、ご本人の了解を得て、投稿するものです。
私の「馬に関連するハンドメイド作品」を購入してくださった時のやり取りの中で頂いた言葉であり、非常に重要な内容を含んでいると判断したが故に、記事としての引用をお願いしたというわけです。

そして、この頂いた言葉は、私自身が自らを問い直す機会を与えてくれたものでもあります。

まずご購入の連絡とともに、次のような言葉を頂きました。

ご連絡有難うございます。

昨日のレースにて故障馬が出てしまい、予後不良を回避出来たことは不幸中の幸いであるものの厩舎側の不手際で馬に苦痛を与えてしまったのです。

故障した該当馬の馬主様は心ある方で、充分な治療を受けることと余生の場所をすぐに決めてくださいました。

しかしながら、それで安堵することなくケガの苦痛が和らぐよう…願いを込めて絵馬とリースを贈りたいと思い、注文した次第です。

私は直接、競走馬に関わっている訳ではないのですが非公表である…この故障発生の経緯を厩舎内部の者から伝え知り、酷く怒りが込み上げ、大いに憤ってはおります。

ですが、私に出来ることは今はただ馬の命を落とすことなく済んだことに感謝し快方へ向かうよう願うのみなのです。

このような事情ですが、宜しくお願い申し上げます。

そして、この件について、詳しく話して頂いた。


以下、詳細は非公表でお願いします。
私がいかに激しく憤っているのか、知って頂きたく説明いたします。

この件の経緯というのは、馬体脚元に不安症状ある状態で、調教師不在のまま(内緒で※※※のセリ場へコネクション作りの為に行っており)
レースに出走させたことが故障の要因でもありました。

該当馬担当厩務員は、レース当日の朝にやることとして不必要であった他馬の調教動画を発信することに気を注ぎ、新人厩務員が一人で管理馬10頭を見なければいけない状況でした。

それ以前に、追い切り調教後、鼻出血と脚元の腫れが出ていた状態で馬主様の「無理して走らせないで良い」という意向があるにもかかわらず、当日に「出走取り止め」判断を下す調教師が現場に居ない…。

一方では、担当厩務員自身が自己アピールの為の動画発信作業をしており
本来やるべき重要な仕事を手薄にし、故障を悪化させる重大な「見落とし」をしました。

このようなつまらぬ事で馬主様の信頼を仇で返し、1頭の競走馬生を終わらせてしまったのです。

両者共に※※代半ばであり、「※※数年の競馬界キャリア」に関して大いに慢心がありました。
プロ意識を問う以前に、個々の人間性如何によって馬に苦痛を与え、命をも落としかねない状況を作った、という…ホースマンでありながら「目の前の馬と向き合わなかった」。
このことに対する猛省は勿論のこと、根本的な部分である…人間性に存在する問題も律すべきと考えます。

馬にだけ頑張らせるのは大きな間違いです。
人間は馬の何倍も厳しく己を律し、日々励み、頑張らねばいけなかったはずでした。
「偶発的な事故では無かった」これが全てです。

次に以下のようなメッセージを頂きました。
この内容に関しては、「馬に関わった」ことのある人なら、おそらく誰もが一度は味わったことがあるかもしれません。

そして、考えるべき由々しき事態が、馬を取り巻く世界に実に多く存在しているということを改めて提起して下さっています。

馬に関わる裏事情は酷い話が多いですよね…

今、ちょうど五輪で馬術関連の競技が行われていますが、
(馬場馬術は終了していますけども)
正直な気持ちとして、競技中継を視聴する気になれず、
チラリ見たとて…どうにも素直に称賛出来ない自分が居るのです。

「人馬一体」と表されながら、乗馬競技に於ける馬の存在というのは
現実的な話、選手が良い成績を得る為の「道具」であり、
使い捨てのように乗り換えると聞き知っているからです。

そして、欧州貴族のような経済的に裕福な身分でないと大会に出られないような競技とは…?などと考えてしまいます。

「馬に関わっている自分は特別な存在なのだ」という空気を無意識にチラつかせている人達は無数にいます。

「馬と関わっている私は、一般庶民のあなた達とは違うのよ!」…という風に優越感のようなものを発していると感じるのです。

感性と観察眼ともに鋭い性質を持っている私でなくとも、嫌な「特別意識」を感じている方々は少なくないと思われます。

私自身は、欧州式乗馬にうんざりしてウェスタン乗馬へ転向し、馬場練習ではなく、国内外各地を訪れ、外乗にて様々な地形の中を馬と共に走ることを純粋に楽しむ為に乗馬をしていました。

馬と寝食を共にするような暮らしが出来たらいいのに…と何度も思いました。
馬と向き合い、馬を尊重して関わっている人間が少ないとは思いたくないですが、競馬界、乗馬界ともども人間都合にある経済面や損得勘定が消えることはないでしょう。

引退馬支援すらもビジネスや詐欺まがいな事情になっております。

人の感情や良心を利用する…とても悪どいやり方です。

良し悪しの見極め判断が難しい局面にある現状は由々しきことです。
そういう理由からまずは競馬界の中に…と思い、地方競馬の厩舎に関わっている訳で引退馬支援団体や施設には一切の関わりを持っていません。

とにかく感情を揺さぶられながら、日々考えさせられる事と葛藤の多い世界ですね。

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