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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その140

娘と対州馬ひん太 ⑥


 
ひん太を飼養し始めてから、心掛けていたのが「世話=曳き馬としての学習訓練」ということでした。
これは、ある方から言われた言葉ですが、飼養と調教は別ではなく、様々な目的や愛情、敬意を持って接する事そのものが両方の意味を兼ねることなのだという考え方です。
まず最初の最初は、「馬が人についてくる」です。
何でもないように聞こえますが、やってみると分かるようにように、馬が信頼していない相手には絶対についていきません。
昔、「馬泥棒」というのがいたのかどうかは、わかりませんが、もしその道の達人がいたとしたら、それはよっぽど馬を知る人物で、大したものです。
群れでいた頃は、触ろうとしても逃げてたくらいでしたから、最初はどうなるかと思っていたのですが、その点ひん太は、あっと言う間にと言うか、最初から柵内を歩くと着いてくる感じでした。
特に娘と一緒に入ると、私には目もくれず、娘について歩くので、小学生の娘は、ちょっと怖くて困っている感じでした。
しょうがないので、ひん太が登りにくい崖の上までいつも登っていって避難する感じが可笑しかったのを覚えています。

また、ある時、妻と娘と一緒に出掛けた際、帰りにひん太の放牧地に寄ると、驚いたことに、ひん太が柵外に出てしまっていたところでした。
ひん太を飼い始めてまだ、ひと月かそこらという頃だったので、非常に焦ったのですが、私が車から降りて、柵の様子を見たりして柵内に戻す準備をしている間に、ひん太は、娘の後について柵の方へ歩いて来ていました。
後で妻から、その様子を聞くと、「完全に娘になついた感じで娘の後を歩いていた!」とのこと。
この時は、本当に娘のお陰で大事に至らなくて助かりました。



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