見出し画像

私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その132


干し草とフスマを、買いに行く②
 
繰り返しになりますが、JAが輸入しているオーツなどの干し草は、牛専用のものであって、馬に向けたものではありません。

現代でも、日常の中に馬が数多く存在しているような状況であれば、馬用の草なども需要があるのでしょうが、それは望むべくもないことです。
広大な牧草地が無い限りは、牛用のそれでも与えない限り、馬が食べるものが手に入りません。

すると必然的に乾草の与え方に非常に気を遣うという現実がまっています。
なぜなら牛と馬は、「昔から身近にいた家畜で、大きさも近い」という共通点はあるものの、その食性、もっと言うと消化システムがまったくもって異なっているからです。

ひと言で言うならば、牛は「反芻」できますが、馬は一切できません。
馬はほぼ一日中時間をかけて、草の上部をかじり取って消化するシステムになっています。その為、反芻する必要がばく、食堂も細くなっているのです。
ですから、乾燥のようにかじり取れる構造になっていない資料を一度に大量に摂取してしまうと、たちまち腸の中でつまってしまい、致命傷になるのです。

なるべく時間をかけて少しずつ与える。これは実際にはかなり難しいものです。
現在、最良の方法としては、ネットの中に乾草を入れて吊るし、食べにくくする方法や飼い桶の中に障害物となる何かを取り付けて食べにくくするという方法しかありません。
いずれにしても、馬たちが生きていく環境は厳しいものであるということです。

長崎市北部の式見という場所があり、ここに「あぐりの丘」という広大なファミリーパークがいました。
私も幼い頃の子どもを連れて遊びに行ったですが、今では殆どの遊具も無くなり、廃墟公園という感じになってしまっています。

元々この場所は幕藩時代に放牧地として在来馬などを育成ていた場所でした。
あぐりの丘時代には、ここに羊を放して牧羊犬よる「羊の追い込み毛刈りショー」などもやっていましたが、その羊たちもほぼどこかへ売られていきました。
その残った放牧地を対州馬の放牧地にできないかと考え、何度も私設の人間と会い、交渉を行いましたが、金にならないと思われたのか、胡散臭い
思われたのか、実現には至りませんでした。


 


※「チップ」は有難く拝受させて頂きます。もし、この記事が多少でも役に立った、或いは「よかったので、多少でもお心づけを」と思われましたら、どうぞよろしくお願いいたします。贈って頂いたお金は1円たりとも無駄にせず大切に使わせて頂きます。