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昔の仕事日記より 「何もない日常・・・」

「何も無い日常」がいかに大切で尊いか、ということを今回の震災は教えてくれる・・・・数日前、ラジオから流れてきた言葉です。

穏やかな春の一日。
バイクで長崎市南部を走っていると、「愛と平和」というレリーフの埋め込まれた家族の像と、その脇で落ち葉を掃いているヒト・・・。
「お疲れさんです」と声を掛けると、「ああ、どうも」と。 何の見返りも注目も期待しない行い・・なんですね。

市民病院から帰ろうとすると、歓迎遠足らしい小学生たちの一行が、通り過ぎて行きました。
黄色い帽子で、新一年生は、すぐにわかります。どうやら佐古(さこ)小学校の子どもたちのようでした。

6年生が新1年生と手をつないで引率しています。やはり、子どもの数が減っているのか、2人の6年生が1人の1年生と手をつないでやっていますね・・・。
6年生なんて、まだまだ子どもなのですが、こうした姿を見ると、なかなかどうして、頼もしいもんですね。

こういう何気ない光景こそ「何気ない、尊い日常」なのだ・・・という気がします。

新1年生たちを交通事故から守ってくれる、黄色い「交通安全帽」は、交通安全協会から無償で提供されたものです。
同協会には、何かと批判などもあるようですが、元々この「黄色い帽子」を児童に無償で配るようになったいきさつ、というのは・・・昭和40年代、モータリゼーション全盛時に、子どもの交通死亡事故が激増し、「なんとか、事故から子どもたちを守ろう」・・・ということから始まったのだ、ということをラジオで聴いたことがあります。

私の子どもが、使っていた交通安全帽。1,2年と被って、3年からは「できたら被る」になって、皆が被らなくなって、クラスで最後のひとりになっても被っていた、その帽子。子どもの安全にひと役かってくれた、その帽子を、なんだか捨てる気になれません・・・・。

震災から一ヶ月。サイトで調べると、少しずつ流通網や、インフラも回復しつつあるようです。
今すぐ被災地に向かうことはできない代わりに、福島・宮城・岩手県の比較的被害の少ない地域の、いくつかの図書館に、拙著ですが、自分が震災後4日目に刊行した本を送ることにしました。
今日、第1陣を送りました。
それが、いいことか悪いことかは、わかりませんが、ともかく、この本たちに全てを託します。今の私には、それぐらいしか、できることがありません・・・・


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文中の「佐古小学校」も統合により無くなってしまった。
黄色い通学帽は、今も残している。

(元記事投稿:2011年04月14日20:00)

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