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たまには、カッとなることも大事

たまには、カッとなることも大事です。
もちろん、すぐにカッカするのは、論外ですが。

私の従兄の話。
彼は、私の母の姉の長男。叔母は、神戸に嫁いだ、とっても優しい人。
しかし、夫は問題のある男だった。
子どもを可愛がるということは無く、酒に溺れ、アル中になり、やがては幻覚をみるようになり、早死にした。
叔母は、苦労に苦労を重ね、何度も実家に帰りたいと泣きついたらしい。
お金を家に入れてもらえず、穴の空いた靴下を履いていたと母は言ったことがある。
そんな状況なのに、叔母は同じく貧しい私と兄にモロゾフのクリスマス・チョコレートを何年も贈ってくれた。そんな人だった。
そんな家庭で育ったせいか、従兄もまた優しい人だった。

障害があるせいで、わがままし放題な、別の従妹に対しても、決してきつく当たることは無く、やさしく接した。
私は、彼が怒った姿を、一度も見たことが無い。

しかし、ある時、これはもう何十年も昔のことだが、母が、福岡の今は無き祖父母の家に、飼い犬を連れて帰省していた時、ちょうどその頃福岡大学に進学していた従兄も祖父母宅に遊びに来ていた。
母と従兄は、一緒に犬の散歩に出かけたらしい。
その時、地元の誰かの車が、スピードを出して走ってきて、もう少しでうちの犬が、はねられそうになったらしい。
すると、その一度も怒りを見せたことがない従兄が、怒って、猛然とその車に向かって走っていったとのこと。

その後、どうなったのかは、聞き逃してしまったが、そのエピソードを聞いた時から、その従兄のことが益々好きになった。
自分が危ない目にあったからではなく、言わば他人のペットが危なかったということに、それだけ「カッと」なって行動してくれたことは、本当にうれしかったし、そのことは絶対に忘れることは無いだろう。


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