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坑口は巨大な地下・炭鉱街への入り口

おそらく炭鉱で働いている時に、坑口から先の世界がどうなっているのか、を詳しく喋り続けた炭鉱マンはいなかっただろう・・と思われます。
そうすることは、やたら家族の不安をかきたて、心配させることになってしまうからです・・・・

(入坑を見送る奥さんたち。誰もが笑顔の下に、「もしかして、まさか」という心を押し殺していただろうと思います。)

今日も満船の状態で向かっているであろう軍艦島ツアー。その特異な島の景観に驚かれる人も多いと思いますが、実は海上の島は、巨大な「地下炭鉱都市」の氷山の一角にすぎません。

端島(軍艦島)鉱では、最深部が940m。最奥が坑口から2~3km。垂直に上下する竪坑道のケージと斜坑、水平坑道と通って「切り羽」と呼ばれる最前線まで行くには片道2~3時間もかかりました。通勤が往復で4~6時間とは、「楽な職場」だと考えるのは、とんでもない間違いです。その間タバコなどを吸えないのはもちろん、節電の為車内灯ひとつない漆黒の中の人車の中で身をかがめていなければなりませんでした。そして何より奥へ進めば進むほど「生存率」は下がるわけで、多くの鉱員さんたちがどのような思いで、現場へ向かっていたか、想像しようとしても、容易にできるものではありません。

今、無数にあった炭鉱跡を訪れても、「ほとんど何も残っていない」としか思わざるをえない場所が多いのですが、もともと炭鉱というものは、地上の者には見えない地下に広がっていたわけですね。

その漆黒の闇の中で8時間~12時間も汗を流して働いていた鉱員さんたちのことを覚えておく、「手だて」ぐらいは、私たちは持っておくできではないでしょうか。

すなわち、ここに「なにがし炭鉱があった」という碑ぐらいはあってもよいのではないか、と思ってしまうのは私だけなのでしょうか・・・・



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