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私が対州馬を絶滅から救いたいと思う理由 その122

水場との距離という環境


 
ひん太の新しい放牧地の前には、清流がありました。

私が小学生の頃には、けっこうな流れがあり、野生の大きな鯉が遡上するような川だったのですが、時津町が上流の方で取水口を作ってしまったが為に、本当に貧相な川になってしまいましたが。

それでも水の流れがあるということは、馬が住む環境には、大変よい影響をもたらします。

まず何と言っても、「空気を動かす」という利点です。
夏の澱んだ暑さは、馬にとって大敵なのですが、水の流れがあることによって空気そのものを流しますし、地表と水面との温度差によっても空気を入れ替える効果があります。

長崎市内においても、長崎原爆投下前には、あちらこちらに馬小屋があったのですが、その中のひとつは大橋の手前の浦上川近くにあったと復刻地図に記されています。
おそらく仕事の後や暑い日などには、その水辺に連れて行って、馬の体を洗ってやったりしたのだとわかります。
 
その他にも、道具についた泥の汚れを落としたりできますし、河原には水気が多いので、微生物が多く落ちた葉や小枝を早く分解します。
一頭分くらいの排泄分は、ほぼ草と一緒ですから、あっという間に微生物が分解してくれます。

また、馬の血を吸うアブの天敵であるオニヤンマなどトンボの幼虫であるヤゴも、多く棲むことになったり、フキなど馬が好む野草も生えやすく、馬にとってはいいこと尽くしなのです。


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