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「夢で逢えたら」という唄があるが、本当にそう思うことがある。 私は、亡くなった私の馬、ひん太に夢の中でいいから、逢いたい。 逢いたくてしょうがない。 実は、夢の中で一度だけ、ひん太が逢いに来てくれたことがある。 陽の当たる広い丘陵地だった。 少し傾斜があって、牧場なのか、木の柵があった。 その場所を、ひん太がニコニコと跳びはねていた。 うれしそうだった。 それだけだったのだけれど、夢の中で逢いにきてくれたことが、とても嬉しかった。 今でもふとした時に、ひん太が立て
対州馬の、「ひん太」を飼養している頃。 当然、私が毎朝夕の世話をすることが多いのだが、たまに娘がついてくると、ひん太は娘にべったり。 よく馬は香水の匂いなどに反応することがあるが、その頃娘はまだ小学校6年生だったので、何の匂いもしなかったはず。 放牧地に入って行くと、私の方は見向きもせず、娘のあとをついてトコトコ歩いていた。 一方の私は、一日も早くひん太を手なづけようという、よこしまなオーラが出ていたのだろう。