M-1 2020 感想

個人的に大好きだったマヂカルラブリーの優勝で終えた、M-1 2020の感想を。


1. インディアンス

いきなり敗者復活からのスタート。その中でもインディアンスは最高のトップバッターを担ってくれたと思う。去年はガチャガチャしていた感じも消え、ツッコミが言葉を間違っていく中にボケていく流れや、暴走を絶妙なタイミングで止めるのも素晴らしかった。去年はツッコミの存在感や全体的なストーリーも薄かったが、それを全て強化してきた。

2.東京ホテイソン

個人的に期待していたコンビ。ウケはしたが、点数は伸びず。東京ホテイソンは元々設定の中にたけるのツッコミが決まっていく流れだったが、それでも決勝の壁に阻まれていたため、今回のようなツッコミインパクト勝負型にしてきた。確かにちょっと理解出来ていないままツッコまれてしまう感じと、東京ホテイソン慣れしていないとついていけないまま終わってしまったネタだったかもしれない。それでも、この若さで決勝に行けたのは素晴らしい。スタイルは覚えてもらう事は出来たので、改めて設定の中に入る漫才に戻ってもよいのかもしれない。

3.ニューヨーク

去年とうって変わって、ブラックなニューヨークらしさ満載のネタ。ギリギリの時事ネタを嫌味なく聞かせる技術は素晴らしい。ただ、少し会場ウケも弱く全体的に爆発しなかった印象。良くも悪くも安定した漫才になってしまった。もう少し盛り上がるポイントが欲しかった。

4.見取り図

もう雰囲気含めて貫禄も出てきたコンビ。しゃべくりの中に動きや伏線も入れつつ流れていく漫才の王道を見せてくれた。ただ、個人的にあんまりハマらないのが少しベタが多すぎるかなと思ってしまう。三段オチやわからない名前等、ちょっと展開が読めすぎてしまうところがあまりハマらない。

5.おいでやすこが

もう素晴らしかった。おいでやすのわかりやすい大声のツッコミで全て持っていかれた。漫才の設定やツッコミがこれほど多様化している中で、ベタな設定とベタなツッコミでここまで面白くなるのかと思った。全員がおいでやすのツッコミを待っているし、一切外さない。この時代にきて最もシンプルな漫才を見せてくれたコンビ。わかりやすい漫才、の面白さを再認識させてくれた。

6.マヂカルラブリー

ここは過去ネタで勝負してきた。最初のボケであそこまでウケた時点で勝ちが確定していたと思う。ハチャメチャな設定だが、ボケ終わりがしっかりしていて非常に見やすい。村上のツッコミも外していないし、何よりボケが強すぎる。これぞマヂカルラブリーという漫才を見せつけてくれた。

7.オズワルド

ここも非常に期待していた。今回もわけわからない題材からここまで面白く出来るのが凄い。伊藤のツッコミも期待の上を行くワードだし、声のトーンの使い分けも絶妙。個人的にはしゃべくり漫才の最高峰だと思う。少し伊藤が声を張りすぎている感があったのはあるが、もっと評価されるべき漫才だと思う。今日一番漫才をしていたコンビ。

8.アキナ

ここは優勝候補だったが、今回は相当外してしまった。設定もブレていってしまったし、ワードもハマらず、正直笑えるポイントが無かった。これなら敗者復活メンバーの方が明らかに面白かった。個人的にダントツの最下位。

9.錦鯉

今回はボケのくだらなさで押し切るネタ。個人的にはもっとツッコミとの掛け合いが見たかったので、そこまでハマらず。少しボケの強さだけで進めてしまい、もっと面白いツッコミもあるのにと思いながら見ていた。

10 ウエストランド

ここもそこまでハマらず。これなら設定に入らなくとも自虐漫才のしゃべくりだけで良かったと思ってしまう。井口が適当に自虐をまき散らす漫才の方が面白かったのではと思った。

最終決戦を得て、マヂカルラブリーの優勝。

マヂカルラブリーの決勝ネタは大爆笑してしまった。単純な設定と動きだけであそこまで笑えるのは野田クリスタルのパワーだろう。あまりに馬鹿馬鹿しい設定だが、勢いで押し切った。

昔からずっと応援していたマヂカルラブリーの優勝は感無量である。今回はパワータイプの漫才師が評価された印象。

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