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アサガオ

ニューアルバム『AM 8:00』発売記念!
セルフライナーノーツ④

新曲『アサガオ』についてです。

 “良い曲”や”良いアルバム”の定義ってすごく難しいです。そんなものはそれぞれの趣味嗜好によるし、そもそも正解や不正解なんてない芸術の世界では、セオリーこそあれど、どこまでも自由。実際にはヒット作品の裏側には、「共感」であったり「流行」であったり、技術やセンスはもちろんなんだけど、人が感動する方程式はそれ以外のところにあるんじゃないかと思います。
あとは作者そのものの人や人生そのものとか。

「フルアルバム」って大体10曲前後からそう呼ぶんだけど、10曲全部が感動する良い曲!ってアルバムあんまり無いんじゃないかな?あるとすればシングルを集めたベストアルバムとかになるのかな。
ライブもそうなんだけど、アルバム制作するときは、”曲の並び順”にすごく気を配ります。バラードばかり続いてもどんなに良い曲も、連続で効いてるとなんか疲れちゃうし、ここぞ!というときに『ポトリ』とハンカチ落としみたいにこっそり落とす渾身の歌が、たくさんの涙をさらっていったりします。賑やかな曲も同様。

そういう意味でアルバムを作る上で存在するのが”捨て曲”といつヤツです。決して本当に捨てるようなテキトーな曲ってことではないんだけど、アレンジだったり、ちょっと面白いテーマを歌にしてみたり僕の中で”遊び”を大切にした歌を入れることが多いです。

『アサガオ』は今作のそれ。何がしたかったかと言うと、堂々と言っちゃうけど、東京で出逢った『藤田悠治』さんというアーティストの”レッツゴー”という曲があって、その曲のギターの奏法がむちゃくちゃカッコ良くて、真似したかったので練習して取り入れてみました。笑
あとは、アルバムの中に花を添えたくて、一曲花の歌を描きたかったから。
夏が来るたびに咲いては、儚く枯れてゆく恋の歌です。

わかる人には分かると思うんだけど、
これむちゃくちゃムズかった・・!しかしステイホームの間に修行を積んで習得しました◎そんな自己満足な作品です。笑

 同じように、いろんな曲をモチーフに作ってる曲もこれまでもたくさんあります。アレンジとかサウンドとか。音楽って盗作とかパクリとかとの境界線ってすごく難しくて、同じメロディーそのままサビにつかったり、歌詞使ったりしたらそれはまぁ盗作なんだけども・・。現在世の中に出回ってる音楽のすべてがある意味オリジナルで、ある意味パクリみたいなもんだと僕は思ってます。(ドーン!笑)
 
 たまに、誰も聞いたことない素晴らしい感性の天才も存在すると思うけど、アレンジやサウンド、メロディーって、これだけ世界に音楽が溢れていたら、必ず何かに似ます。というよりは色んなジャンルの音楽を”掛け合わせて”作られています。”リズムはアース・ウィンド・アンド・ファイアーみたいにしようかな””メロは少し和のスケールを使って”とか。”最近のヒップホップのビートも加えようかな”とか。

ヒットソングの裏側にはかならず『◯◯っぽさ』というものがあります。大切なのはそこにいかに自分だけの想いやオリジナリティーを込めることができるか。

色んな音楽を掛け合わせることで、新しい音楽は生まれるんだと思う。素晴らしい作品を作り続けてるアーティストほど、さまざまな実験や”遊び”を繰り返して楽曲制作してるものです。(あくまで僕個人はそう思います!)

『アサガオ』はそんな僕の遊び心と、指にマメができるくらい練習したギターのリフが詰まってます。笑

きょんちゃんのパーカッションも加わって、キレキレなサウンドにしてみました!!
月曜日の9時から放送するドラマとかに合うと思うんだけど!?笑

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『アサガオ』

お元気ですか?
ふいに君のことを
僕は思い出していたところです
相変わらずな毎日だけれど
そのお陰で変わらず元気です

風の噂で君のこと聞いたよ
幸せそうで良かった
見たくもない誰かの独り言
ついつい覗いてしまうけど
実際なんの足しにもならんよな
今日も指先で閉じる

歌えない日々に溺れて
もがけばもがくほど絡まる
動かない君の欠片を
その瞳をなぞるよ
『忘れてしまえ』と何度でも
放り捨てたはずなのに
立ち止まるといつだって
君が咲いている

覚えているかな あの日も雨降りで
曇った窓に隠れてキスをした
それぞれの日々を濡らす通り雨
軒先で凌ぐうちに
いつの間にか僕らの傘はもう
何処かに置き忘れてしまったみたいだ

歌えない日々にも慣れて
もがくことさえ忘れても
届かない君への歌を
雨音に不忍せた
『忘れてしまえ』と何度でも
破り捨てたはずなのに
この胸の綻びから
同じ歌が聴こえる

止まっているようで
世界は巡る
暗闇の中でも産声あげて
イロハウタ咲く朝に
美しき花の音が
風に舞う

歌えない日々に溺れて
もがけばもがくほど絡まる
動かない君の欠片を
その瞳をなぞるよ
『忘れてしまえ』と何度でも
放り捨てたはずなのに
立ち止まるといつだって
君が咲いている

君に恋していた
僕が咲いている

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