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「アル中日記」22 1st Carの話

このブログを始めたきっかけは4Cのオーナーになったから。そんな事もあって、これまでもうひとりの相棒についてあまり書いてこなかった。

Alfa Romeo MITO Quadrifoglio Verde Limited

2012年に50台限定で販売された。1番の特徴はフロントに鎮座するサベルト製カーボンシェルシート。その前に乗っていた車にもレカロのカーボンシェルシートが付いていて、バケットタイプに乗り慣れていた事もあって、そこが気に入った。ただ乗り心地はかなり違う。イタリア人と日本人の体格差なのかもしれないが、サベルトはかなり大雑把。

もうひとつの特徴が黒く塗装されたルーフパネル。これだけでボディ全体が引き締まって見えるので、こちらは文句なしのお気に入りポイントだ。

ホイールも専用のものが奢られているが、個人的にはアルファロメオはやっぱり梅ホイールの方がお似合いだと思っている。

出会いは今から10年前。車を買い替える事になり、近隣のディーラーを探していたところ、フィアットを発見。妻がFIAT500に興味があるというので試乗しに行ったところ、そのお店の隣がアルファロメオだったというオチ。
ジュリエッタが出たばかりで、ショールームに飾られているのを横目にフィアットへ。ちなみにその時対応してくれたのが、今のN店長。
新車に乗り換える際に私が唯一希望したのが「MT車である事。」しかし当時のFIAT500は全てATなのは知っていたので、私としてはとりあえず妻の興味を満たすためだけのお付き合いのつもりで話を聞いていた。
ところが、翌月に限定でツインエアのMTが入ってくると聞いて話は一転。俄然興味が出てきた私はとりあえずツインエアのATを試乗する事となった。
日曜日の午前中という事もあってディーラーは混み合っており、試乗車が戻ってくるまで、店の前の駐車場で待つ事となった。
駐車場には修理などで預かったと思われるFIAT500が並んでいた。その中にポツンとたった1人で佇んでいたのが今の相棒だった。

昨日までショールームに飾られていたのだが、新入りのジュリエッタにその座を奪われた挙句、追い出されたその日の夜に雨に降られ、まるで捨てられた子犬のように濡れそぼって、そこにいたのである。
あの憧れの名車ALFA ROMEO 8Cからインスパイアされたデザイン。だから発表された当時は気になっていた。しかし実物を目にするのはこれが初めてだった。思わず近寄って中を覗き込むと、あのカーボンシェルシート!N氏に試乗車を待っている間、車内を見せてもらえないか頼み込んだ。
「シートに座っても良いですよ」というお言葉に甘えてドライバーズシートへ。次の瞬間FIAT500の事などどうでもよくなってしまった。

あれから10年…初めての車検でコンピュータに不具合が見つかり交換したところ、トルクが増えて乗りやすくなったり、パワーウインドウが突然言う事聞かなくなったり、ドアの取手の鍵穴部分のカバーが脱落したりと小さなトラブルはあったものの、故障らしい故障はこれまで皆無。前回の車検の折、エンジンマウントとタイミングベルトやウォーターポンプなどの補器類を交換。まさに絶好調。

FFではあるが2ドアボディの恩恵か、とにかく鼻先が軽い。ハンドルを切るとスッと鼻先が向く。運転していて楽しくなる。グランデプントのシャシーにクライスラー製のエンジン。往年のアルフィスタから見れば「アルファロメオではない!」と言われてしまうかもしれないが、私にとってのアルファロメオの基準はこのMITOなのだ。これからも体力とお金の続く限り、付き合っていこうと思っている。最近はあまり見かけなくなったけど、本当にいい車です。お勧めです。

今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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