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模擬授業264.「オイラーの多面体定理」

2022年2月20日(日)
第4回 数学ZOOMでの模擬授業

数研出版『数学A』p110,111


模擬授業

「教科書、110ページ。
タイトル10 多面体」

指示1
図形が5つあります。
その図を見て、思ったことを口々に言ってごらん。

「きれいな図」
「三角形や四角形で囲まれている」など
「(正多面体は)5種類ある」 
教科書に書いてることを言ったら、画面の教科書にアンダーラインで強調する。
教科書の重要な部分を言う生徒が増える。
「それぞれの面は合同な正多角形」
「各頂点に集まる面の数はすべて等しい」

発問1
正多面体は、何種類あるのですか。

「5種類」

指示2
正多面体に番号をつけます。

正四面体の前に、「1」と書く。

発問2
2つ目は、なんですか。

正六面体の前に、「2」と書く。
「正六面体の別の言い方はなんですか」「立方体」
「同じように番号をつけます」
「3はなんですか」「正八面体」
「4」「正十二面体」
「5」「正二十面体」

発問
正四面体。頂点の数を数えます。いくつありますか。

「4」
「辺を数えます。いくつありますか」「6」
「面は」「4」

発問
面を数えなかった人もいますね。数えなくても4とわかる理由は。

「正四面体だから」

説明
正多面体について、同じように調べます。
教科書111ページ、練習38。
正多面体について、次の表を完成させよ。
今回は、スプレッドシートでやります。
リンクをで送ります。

スプレッドシートのリンクをチャットで送る。

正多面体 頂点 辺 面
正四面体 4 6 4
正六面体
正八面体
正十二面体
正二十面体
指示
数字を入力します。

スプレッドシートが開くと、何も言わなくても次々と入力する。

指示
大切なことなので、ノートにも写しておきます。

説明
頂点の数ー辺の数+面の数を考えます。

ノートの表に、頂点ー辺+面の枠をつけ足す。

発問
正四面体では、4ー6+4です。
(表に「ー」「+」「=」を書く)
いくつですか。

「2」
「他の正多面体でも、同じようにやります」

正多面体 頂点 辺 面 頂点ー辺+面
正四面体 4 6 4 2
正六面体 8 12 6
正八面体 6 12 8
正十二面体 20 30 12
正二十面体 12 30 20
指示
わかったこと・気づいたこと・思ったことを書きます

頂点ー辺+面=2 

説明
頂点とは、英語でvertexです。

頂点の下に、「v」と書く。

発問
辺を英語で言うとなんですか。

「line」「それもいい。
「edge」
辺の下に「e」と書く。
「面は」「face」

板書
頂点ー辺+面=2
 v ーe +f =2

発問
このことをなんと言うのですか。
教科書111ページから見つけます。

「何の多面体定理ですか」「オイラー」

指示
自分で数えて、計算もして、
頂点ー辺+面=2に、
自分で気づいたと言う人は
「オイラーの多面体定理」の下に
「『自分の名前』の多面体定理」と書いておきます。

板書
頂点ー辺+面=2
 v ーe +f =2
「オイラーの多面体定理」
(「◯◯の多面体定理」だったかも)

指示
ここまででわかったこと、気づいたこと、思ったことを
言ってごらん。

「なぜそうなるのかが知りたい」
「足したり、引いたりする順序にどのような関係があるのか知りたい。」

発問
疑問はないですか。
いままでは、「ピタゴラスの定理」「チェバの定理」「メネラウスの定理」などがありました。
そこで、疑問はないですか。

「オイラーではない多面体定理はあるのか」
「オイラーの他の定理があるのか」

生徒は自ら調べてくる。

検討


1.最初に立体にナンバリングをした。誰にでもできることで、わかりやすかった。
2.最初に図形を思ったことを言っていくことで、短い時間で確認していた。
3.オイラーなどの数学者や数学史は、おもしろい。語りなどが聞きたい。
4.定理に自分の名前を入れるのが、おもしろい。
5.ゆさぶりや疑問など、おもしろかった。
6.スプレッドシートでみんなで同時に書き込みができた。
7.生徒分のスプレッドシートを用意して、入力させる方法もある。
8.指示・発問だけで、快適な授業だった。
9.作り込んだ授業ではなく、この

な授業を教科書でさっとやっているのがすごい。
10.準備がシンプルだが中身の濃い授業がすごい。
・スプレットシートにみんなで協力しながら表を埋めるのが良かった。(わからない子は助かる)
・頂点ー編+面=2でそろった時の驚きが面白かった。
・オイラーに「自分の名前」を入れるのが斬新でうれしい。
・最後にみんなに感想を言わせる。所々で感想を言わせる。子ども達への実践から来ているのがすごい。
・「オイラーの他の定理・オイラーでない多面体定理」を次回までに考える宿題が斬新(すごいな)・数学史を語る授業があってもいい。
・生徒への「揺さぶり」がとても面白い。
・指示と発問だけで授業が組み立てられていて、余計な言葉が一切なく、とても快適に授業を受けられた。

分析


1.正多面体については、中学校までで習っている。
短い時間で、飽きずに、復習できるように、「気づいたことを、口々に言う」それから大切なことを教科書で確認とした。
2.頂点、辺などの名称が不安定な生成ともいる。わざわざ発問するのは、授業がにごるかんじがする。そこで、画面で頂点を示しながら、一人言のように「このような点を頂点と言うだったよな」と、さらりと言った。
3.正四面体で例示し、他の4つをスプレッドシートで共同作業した。
ひとりひとりがそれぞれの数を数えると時間がかかり飽きる生徒もいるが、共同作業にすることで、スプレッドシートを開くと、教師が指示をしなくても、生徒は自分から数を数え、表が完成する。
4.スプレッドシートでやったことがあとに残るように、ノートに写させた。
5.写すときに時間差が生まれるので、早く写せた生徒には「わかったこと、気づいたこと、思ったことを書きなさい」とした。
6.多くの生徒が写し終わったときに、「頂点ー辺+面を考えます」と発問した。
7.自分で気づいた生徒には、「『自分の名前』の多面体定理」とすることで、楽しく、記憶に残る定理となった。
8.「オイラーの多面体定理」ということから、「オイラーの他の定理」や「オイラーでない多面体定理」があるのかと疑問を共有すると、課題にしなくても生徒は自分で調べてくる。

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