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模擬授業15 余弦定理 東京書籍『数学Ⅰ』p125

模擬授業

2003年11月23日。第1回TOSS中学関東ブロック合同例会での模擬授業。余弦定理の公式の暗誦。

服装を確認。教態を正す。笑顔。生徒一人ひとりを見つめるつもりで見る。目線を左後ろから右前に「z」字を描く。


1.導入

左手に教科書を生徒に見えるように持ち、右手で頁数、タイトルをなぞりながら

指示1 125頁を開きます。

早い生徒をほめる。「早い。1番、2番、3番、いっぱい。」

指示2 読みます。「2 余弦定理」、さんはい。

しっかり読めていたらほめる。読めていなければ「声をそろえます。」とやり直し。
「2から読みます。「2 余弦定理、さんはい。」」

2.△ABCの記号の確認

指示3 続きを読みます。「△ABCの」、さんはい。

「△ABCの1つの角と3辺の長さの間に次の余弦定理が成り立つ。」
「声がそろっていないので、もう一度。△ABCの、さんはい。」
「△ABCの1つの角と3辺の長さの間に次の余弦定理が成り立つ。」「すごい。しっかり読めています。」

発問1 △ABCの1つの角と3辺の長さの間に何の定理が成り立つのですか。漢字四文字で、さんはい。

「余弦定理です。」

発問2 余弦定理は△ABCの1つの角と何と何の間に成り立つのですか。

「1つの角と何です、と言います。「1つの角と」、さんはい。」「1つの角と3辺の長さです。」「そうだ。」

発問3 読んだ余弦定理。余弦とは何のことですか。

指示4 余弦の下に、sin,cos,tan(板書)のどれかを書きなさい。

「授業中は、たくさん間違えていいんだから、どれかひとつ書いてごらん。」「授業中、たくさん間違えてたくさんやり直しをする人が伸びていくのです。」と促す。
「余弦とはsin(普通の声)だという人?」挙手で確認。このとき、左手を耳につけて、指先までまっすぐして挙手している生徒をほめる。周りを見ることを促す。
「余弦とはcos(大きめの声)だという人?」(2回いってもいい)「余弦とはtan(小さ目の声)だという人?」

説明1 余弦とはcosのことです。

「できた人は赤で丸。間違えた人は写しておきます。」

説明2 余弦定理は、cosの定理のことです。

指示5 四角囲み「余弦定理」。中の△ABCを指で押さえます。

「お隣同士確認。」

指示6 指で押さえて確認します。角A、角B、角C。

説明3 角Aの対辺の長さは小文字のaで表します。

「角Bの対辺の長さは小文字の何で表しますか。」「小文字のbです。」「角Cの対辺は」「小文字のcです。」

3.余弦定理

指示7 余弦定理の1つ目の公式。a^2=b^2+c^2-2bccosA。ノートに写します。

指示8 写した式を言います。a^2=、さんはい。

「a^2=b^2+c^2-2bccosA」(板書)

指示9 1行あけて、2つ目の公式を写します。

「式を言います。さんはい。」「b^2=c^2+a^2-2cacosB」

指示10 3つ目の公式を写します。

「式を言います。さんはい。」「c^2=a^2+b^2-2abcosC」

説明4 1つ目の公式を覚えます。

板書「a^2=b^2+c^2-2bccosA」「さんはい。」
板書「a^2=  +c^2-2bccosA」「a^2=  +   -2bccosA」「a^2= + - cosA」「a^2= + -」「 = + - 」「   」(板書の文字を消していく)

指示11 暗記できて人は目をとじていいます。さんはい。

「a^2=b^2+c^2-2bccosA」

検討


TOSS授業ライセンスD表評価項目
(1)授業の始まり(15秒)のつかみ 10点
(2)子どもへの目線          10点
(3)あたたかな表情・対応       10点
(4)明確な発問、指示         10点
(5)心地よいリズム           10点

中川とも子氏 5 5 5 5 5 合計 25
井上好文氏    3 3 4 4 3 合計 17
平均 (25+17)÷2=21点

中川とも子氏
1.指示1の後もう少し待つ
2.個の対応ができていない
3.声の表情がない
4.発問・指示のセンテンスを短く
5.失敗した後、動揺しない

井上好文氏
1.強引、力技を使っている。
2.だから品がないがこのような授業を経験する必要がある。
3.そのような授業を経験してからエレガントな授業ができるようになる
4.何人指さし確認をしていたか。見ているようで見ていないから答えられない。
5.用紙は色のついた用紙を使い、番号・名前を入れるとよい。

分析・自評


1.指示1ですっと授業にはいる。指示2で時間調整のつもりであった。全員がプリントをだしたかどうかの確認ができていない。
2.目線は全体に送っているつもりであるが、見ていない。具体的に何を見るのか、何を確認したいのかを決めてから授業する。
3.声の表情がない。ライブでほかの先生の声、質、大きさ、言い方を学ぶ。
4.直前まで指導案を変更していた。変更した指示が長くなってしまった。1文を短く言う習慣をつけたい。
5.失敗を生徒に気づかれないように授業を続ける。
6.生徒を授業に引きずり込みたいという気持ちが強かった。強引、力技ばかりであった。気迫ばかりでなく、言葉を削り、ゆったりとした授業ができるようにないたい。
7.指さし確認のときは、全然生徒を見ていなかった。指示を出したことで安心していた。教師が確認し、詰めが必要。
8.セミナーでは、色のついた用紙(他の人が使っていない薄紫がいい)で準備する。

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