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模擬授業14「一次不等式の解法(3)」

模擬授業

2003年8月29日(金)、TOSS中高東京サークル第12回例会での、模擬授業5分。

東京書籍『数学Ⅰ』p44、例題1(1)

プリントを見せながら「44頁。例題1。次の不等式を解きなさい。」
準備をできていない生徒ために、ゆっくり目で読む。

指示1 44頁、例題1。みんなで読みます。「次の」、さんはい。

「次の不等式を解きなさい。」

指示2 (1)の不等式をノートに書きなさい。

全体を見る。式を言いながら板書。

発問1 考え方として、(1)はどのようにすればよいのですか。

「(1)は、かっこをはずしてから整理する。」

発問2 まず何をしますか。

「左辺のかっこをはずします。」

指示3 黒板と同じように、分配法則の矢印を書きます。

指示4 かっこをはずした式を書きなさい。

指示5 書いた式を言います。

「3x+14-4x<x+2です。」

発問3 次に何をしますか。

「移項して整理します。」

発問4 何と何を移項しますか。

「14とxです。」

指示6 1行あけて、移項した式を書きます。

指示7 式を言います。

「3x-4x-x<2-14です。」

指示8 xと-xを四角で囲みます。矢印で結びます。。

「定規を使います。」

指示9 +14-14を丸で囲みます。矢印で結びます。

指示10 式を整理しなさい。

「-2x<-12です。」

発問5 次に何をしますか。

「両辺を-2で割ります。」

指示11 両辺を-2で割った式を書きなさい。

指示12 式を言います。

「x>6です。」

説明1 両辺を負の数-2で割ると、不等号の向きが変わります。

発問6 念のため、負の数-2で割るとどうなるのですか。

「不等号の向きが変わります。」

発問7 どうして不等号の向きが変わったのですか。 

「両辺を負の数-2で割ったからです。」

テープおこし


録音の準備をしていたものの、録音のスイッチを入れるのを忘れた。模擬授業する前から緊張していた。

検討


1.分配法則の矢印を書くので、1行あけるという指示が必要。(佐藤泰弘氏)
2.発問のあと「教科書に書いてあるとおり言います。」と言ってはいけない。(山本雅博氏)
3.発問4「何と何を移項しますか。」「14とxです。」のあと、移項するものに印をつける。(中川とも子氏)
4.移項のときにジャンプしている。「14を移項します。」「xを移項ます。」と細分化する。(山本雅博氏)

分析・自評


1.日付、頁数が書いてあると思って、1行あけなかった。教師の都合ではなく、生徒の都合を考えて指示を出す。
2.「教科書に書いてある通り言います。」ではなく、「声をそろえて言います。」にする。
3.発問4「何と何を移項しますか。」「14とxです。」のあとに印をつける。
4.移項を細分化してやるのは中学1年。中学2年以降は、できると判断した。移項が不得意な生徒が多いときは、細分化する。
5.全体の生徒を見ようと心がけた。しかし、目線を送っているだけで実際には見ていない。生徒を見るときに何を見るのか、手が動いているのか、教科書を見ているのか、口を動かしているのを見るのか、まで決めて生徒を見るようにしたい。
6.次の指示を出すときに、間があいた。テンポがよくない。他の人の模擬授業を見て、指示を出すタイミングをライブで学ぶ。
7.生徒が式を言っているときに板書をした。目線がどうしても黒板に行く。気持ちは生徒を見たい。動きに迷いがあった。これもどのタイミングで板書をはじめるのか。ライブでしか学べない。
8.「定規を使うんですよ。」の指示が遅かった。やってほしいことは早めに言う。
9.「44頁。例題1。次の不等式を解け。」とゆっくり教師が範読した。いきなり、「44頁。例題1。みんなで読みます。「次の」、さんはい。」よりも、すっと入れた。時間調整が必要な生徒が多いときは、教師の範読を入れる。

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