模擬授業41「球の体積」
模擬授業
2005年9月17日(土)、JHH横浜での模擬授業。
東京書籍『数学Ⅰ』p138,139
1.球の体積
発問1 水のはいった 円柱です。底面の半径は何ですか。
「rです」
発問2 球を沈めます。球の半径は何ですか。
「rです」
発問3 半径rの球を沈めると、どうなりましたか。
「・・・」「・・・」「水位が高くなります」
「どれだけ高くなりましたか」「4r/3です」
指示1 高くなった水の部分を赤鉛筆で塗りなさい。
発問4 球の体積と等しいのは、どれですか。指で押さえてごらん。
「お隣同士で確認」
発問5 どのような円柱ですか
「半径rで高さが4r/3です」
発問6 球の体積を求める式を書きなさい。
「4πr^3/3です」
「式ですよ」「πr^2×4r/3です」「同じように書けた人は赤で丸」
「計算します。さんはい」「4πr^3/3」
2.問10
説明1 右のページ。一番下。問10。円柱の図があります。
指示2 円柱の中には何がありますか。
「円錐です」「円錐となんですか」「球です」
説明2 円錐の体積は2πr^3/3でした。
発問 球の体積は何ですか。
「4πr^3/3です」
説明3 円柱の体積は2πr^3です
説明4 比を簡単にします。πr^3でわると、2πr^3/3は2/3になります。
発問7 4πr^3/3をπr^3割ると何になりますか
「4/3です」
発問 比を簡単にします。なにをかけますか
「3です」
「簡単にしてごらん」「2:4:6です」
「簡単にしてごらん」「1:2:3です」
説明 この関係を発見したアルキメデスのお墓には、円柱と球が刻まれているそうです。
検討
1.音読させた方がよい(佐藤泰弘氏)
2.何とかついていけたという感じでした。でも終わりのところで、とても知的な方向に結論づけていてさすがだと思いました。笑顔が素敵で安定した授業でした。(横尾氏)
3.「Vの式を書きます」板書 V= × では、ていねいすぎますか。実際の画像はありますか?(伊藤宗子氏)
4.終わりが知的でよかったです。私は、教科書を読まない導入でスムーズ゙に入れました。(野口敦広氏)
5.「どのような円柱ですか」ちょっと答えづらかった。「式を書きなさい」も難しかった。教科書を読ませる力が大切ですね。最後の比の計算はステップがもう少し粗くてもよいかな?アルキメデスの話はよいです。(太田泰氏)
6.高校の教科書では、むずかしい説明なんですね。「ごまかされた」「何か変だ」という生徒の意見が出ませんか?CGで見せるとうまくいくと思うのですが。(五十木氏)
7.ゆったりした授業でした。V=4πr^3/3も式といってよいですね。最後が知的でよかったです。(澤田富雄氏)
8.Archimedeのはかから入ったほうが何故これをやっているか分かる。何故Vの上に ̄?(Peter氏)
9.スピードがちょうどよかったです。早すぎず、遅すぎず、ついていくことができました。(大脇友恵氏)
10.立ち歩いている子がいなくて、教科書を開いている状態であれば、この張りもありだと思う。4r/3はすべての球に成り立つのか疑問であった。(鈴木良治氏)
11.スムーズでした。さいごが(アルキメデスのおはか)感動的でした。その絵があると生徒にもわかりやすいですね。(尾上氏)
12.最後の先生の語り(アルキメデスのこと)で「ほぉ~!」と思いました。数学のロマン・不思議を感じさせる授業でした。比を約分するところがとってもやりやすかったです。(鈴木美佐子氏)
13.1回音読があったほうが、よかったか。さがすのに目がついていかなかった。アルキメデスのお墓は、へーでした。数学ってきれいですねー。(水谷美穂子氏)。
分析
1.「球を沈めるとどのようになりましたか」の答えがなかなかでなかった。「水が上がります」や「水位が上がります」など自由な答えが欲しかったが、混乱を招くようである。明確な発問として「球を沈めると水位は上がりますか、さがりますか」の方がよい。
2.「球の体積を求める式を書きなさい」でr×r×π×4r/3と書いている人もいた。どのように対応していいか、困った。局面の対応がぜんぜんできていなかった。式を統一するため、音読し「教科書の式を写します。」「πr^2は円柱の底面積です」「念のため、円の公式を言葉でいいます」「半径×半径×円周率です」「半径は何ですか」「rです」というやりとりが必要である。くどくならないよう、さらっと確認する方法が必要。
3.Vの上に ̄をつけて書いた。「?」という顔をした人が何人書いた。教科書通りの表記がいい。
4.音読をさせて、確認するという方法で数学が苦手な生徒にも安心してついてこれる授業に構成を変える。
5.アルキメデスの画像はあるのですが、お墓の画像が見つからないです。ギリギリまでさがします。
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