模擬授業38 TOSSデー横浜の検討
模擬授業
2005年4月30日(土)、JHH横浜第23回例会でのTOSSデーの講座検討。
大日本図書『中学数学3』p12
1.導入
発問1 今日は何の日ですか。
プリントを指さして「今日は何デーですか。さんはい」「TOSSデーです」
説明1 TOSSで学ぶ前、次のような授業をしていました。
2.ビフォーの授業
下を向いて、体を揺らしながら
指示1 プリントを開きます。
教師が範読。「四角1、(χ+a)(χ+b)の展開の仕方を考えよう」
発問2 何を考えるのですか
「わかりません」
「(χ+a)(χ+b)の展開の仕方です」
元気なく「そうだね」
発問3 今の授業を見て、わかったこと・気づいたこと・思ったことは何ですか
説明2 TOSSで初めて模擬授業をしたとき、TOSS中学代表の井上好文氏に次のように言われました。
「教体を止める。動きを止める」
「90ページを開きなさいと言ったら、みんなが開いたかどうか確認する」
「生徒をしっかり見て、しっかり発問する」
「指名するとき、みんなを見る」
説明3 2回目の模擬授業。
TOSS若葉代表の中川とも子氏に「音読自体は明せきなのですが、声のトーンが沈んでいるのが気になりました」
同じくTOSS若葉代表の金子史氏に「表情が少し怖いです。先生の笑顔を大切にして下さい」と言われました。
3.アフターの授業
説明4 TOSSで模擬授業30回を越えて、次のような授業をしました。
指示2 12ページ。四角1。みんなで読みます(χ+a)、さんはい。
かぶせて読む。
「四角1、(χ+a)(χ+b)の展開の仕方を考えよう」
発問4 何を考えるのですか。
「四角1、(χ+a)(χ+b)の展開の仕方です」
指示3 黒板と同じように、式をノートに書きます。
「1行あけて」
板書 四角1
(χ+a)(χ+b)
指示4 赤で分配法則の矢印を書きます。
「1、2、3、4」と言いながら書く。
説明5 最初は、χ×χです。
発問3 簡単にすると何ですか。Aさん。
「χ^2です」「その通り」
発問4 次は何×何ですか。Bさん。
「χ×bです」「そうだ」
発問5 簡単にすると何ですか。Cさん
「bχです」
板書 =χ^2+bχ
指示5 式の続きを書きなさい。
「書いた式を言います。χ^2+さんはい」「χ^2+bχ+aχ+ab」
「できた人は丸、できなかった人は写しておきます」
指示6 続きを書きなさい。
板書 χ^2+( )χ+
「とっても簡単だよね。どうしてですか。Hさん」「教科書に書いてあるからです」
指示7 書いた式を言います。χ^2+、さんはい。
「(χ+a)(χ+b)=χ^2+(a+b)χ+ab」
「できた人は丸、できなかった人は写しておきます」
板書1
四角1 | ̄ ̄↓ ̄↓
(χ+a)(χ+b)
|_↑_↑
=χ^2+bχ+aχ+ab
=χ^2+(a+b)χ+ab
発問6 今の授業を見て、わかったこと・気づいたこと・思ったことは何ですか。
4.解説
説明4 TOSSには、授業ライセンスがあります。授業の技量を級・段であらわすものです。
A表からD表、さらにE・F表とあり、それぞれに評価項目があります。
TOSSに入る前は、E表・F表もできていませんでした。
説明5 F表の評価項目は3つ。
1番。子どもの前で 自然 に歩ける です。1回目の模擬授業で、まっすぐ歩くこともできていませんでした。
2番。 紙 を見ないで授業ができる。
3番。 何々が 自然に出ている。模擬授業で、「音読自体は明せきなのですが、声のトーンが沈んで入るのが気になりました」と言われました。
発問7 漢字一文字が入ります。何だと思いますか。
「声です」
説明6 E表の評価項目は3つ。
1番。授業の最初の 作業指示
2番。子どもの指名・対応
3番。にこやかな 何々。模擬授業で、「表情は固くて少し怖いです。先生の笑顔を大切にして下さい!」と言われました。
発問8 何だと思いますか。漢字2文字を書きます。
「笑顔です」「表情です」「ここでは表情です」
説明7 模擬授業が15回を過ぎたころから、D表のことを検討されるようになりました。
D表の評価項目は5つ。
1番。授業の 始まり (15秒)のつかみ
2番。子どもへの 何々。模擬授業で、「もっと長く目線を合わせるとよい」「目線。板書しながらも目線がいく」「見ているが、見えていない」「書いていない人がいる。そういう人にも目が行くようにする」と言われました。
発問9 何だと思いますか。
「目線です」
説明8 3番。あたたかな 表情、対応。
4番。明確な 発問、指示。
5番。心地よい リズム です。
説明9 忙しくて、なかなかサークルに参加できないときもあります。授業の技量が下がって不安になることがあります。そんなときはTOSS中学代表・井上好分氏の言葉を思い出します。「大切なことは、第一に続けること、第二に続けること、第3に続けること。そのためには、第一に無理をしないこと、第二に無理をしないこと、第三に無理をしないこと」
説明10 今日出会った人々と、「無理をしない」で、教師修行を共に「続けること」ができたら、とってもすてきなTOSSデーになるでしょう。ありがとうございました。
検討
1.四角1の書く場所(ピーター氏)
2.なぞらなくてもよい。なぞり書きをするのなら、しやすいよう工夫する(鈴木良治氏)
3.検討者の名前は必要ない(鈴木良治氏)
4.評価項目と検討をゴシック、明朝で分けて書く(鈴木良治氏)
5.話は聞きやすい(澤田富雄氏)
6.もっと井上好分氏のまねをする(澤田富雄氏)
7.プリントで手遊びをしている。もち方を決める(澤田富雄氏)
8.悪い授業の例はいらない。ドラマ・エピソードを語る(佐藤泰弘氏)
分析
1.四角1の書く場所は指示していません。どこに書いてもよいと考えています。
2.なぞり書きをしやすいように工夫。
3.検討者の名前を削除
4.評価項目を左ページでゴシック、検討を右ページに明朝に変更。
5.プリントをおく、または、どちらかの手で持つ
6.悪い授業の例をなくします。代わりに授業ビデオを用意する。
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