見出し画像

模擬授業85.「最後の言葉」

2007年1月21日(日)。はなみずき例会での、模擬授業。

模擬授業

説明1 番組の主題歌、オリコン1位、渋谷公会堂でのライブを、18歳で達成しました。

発問1 この歌手のことを、どう思いますか。
指名。「才能があるな」「すごい」

説明2 父が社長。別荘がある。5歳で音楽教室に通う。コンクールで賞をとる。この頃から、歌手を目指すようになりました

発問2 この歌手のことを、どう思いますか。
指名。「父さんが社長っていいな」「苦労なんてしたことがないんじゃないか」

発問3 10歳で父が亡くなります。父の最後の言葉です。今まで生きてきた中で、一番うれしかったことは何だと思いますか。
指名。
「おまえと出会えたこと」

説明3 会社は倒産。生活保護を受ける。母、入退院を繰り返す。デビュー前に、事務所を解雇。その後も、オーディションや事務所に連絡を取りますが、よい結果が出ません。
四ッ谷駅で路上ライブまでしましたが、誰一人立ち止まることはありませんでした。『歌手になるためのすべての方法を失ってしまった。』と、はじめてお母さんに泣きつきました。
「お母さん、どうしていいかわからん」

発問4 このとき、お母さんは、何て言ったと思いますか。
指名。

説明4 1回だけじゃわからんやろ。それであきらめてどうするとよ。九州女やろ!」と言って、怒ったそうです。
その言葉を聴いて、『とことんやったるけん』と、路上ライブを続けました。
そして、2002年10月テレビ番組の主題歌としてデビュー。
その後、渋谷公会堂でのライブ、路上ライブ1000回を達成します。

発問5 テレビの主題歌の2ヶ月前に、お母さんが亡くなっていました。母の最後の言葉は、なんだったと思いますか。
指名。
「・・・ありがとう・・・」
「母さんありがとう」
「母さんの最後の言葉は「ありがとう」だった。もし違う言葉だったら、私は今みたいに後悔していなかったかもしれない。
母さん。私のほうこそありがとうだよ。
育ててくれてありがとう。生き方を教えてくれてありがとう。
東京に出してくれてありがとう。
今さらだよね。今、心で何度叫んでも届かないもんね。生きているとき、一度も言えなかった。
だから、だからいくら後悔しても足りない。
生きているうちに伝えたかった。「・・・ありがとう」って。

<参考文献>
『最後の言葉』、川嶋あい著、ゴマブックス
『16歳の白い地図』、川嶋あい著、ゴマブックス
『蒼い旅の続き』、川嶋あい著、幻冬舎
『大切な約束―How tears fall』、Hikari著、スターツ出版
『最後の言葉-コミック版』、川嶋 あい・高山 繭著、ゴマブックス
『路上の天使-川嶋あい物語-』、大内理加著、講談社
『ナミダ100万粒のキズナ』、大内理加著、講談社

検討


1.「ありがとう」という言葉がすっと入ってきた。
2.追試してみたい。
3.楽しそうにやっていた。

分析


1.「母の最後の言葉「ありがとう」と言われて、後悔しています。それはなぜですか」という発問もある。
2.道徳、人物、「ありがとう」、親孝行の授業をずっとやりたかった。
3.授業できたこと自体が、うれしく、楽しかった。
4.最後の語りで、しんみりさせたかった。笑顔で語ってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?