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どん底の心境からV字回復する、メンタルの強め方



・政治家を志したきっかけとなった、日本の自殺者数の多さ

こんにちは、堀井学です。

ちょうど一ヶ月ほど前に、Webマガジン「BizSPA!フレッシュ」(扶桑社)に、北京オリンピックにおいての高梨沙羅選手の失格問題について、私の思うところを寄稿させていただきました。

タイトルにある「悪夢のような敗戦をした」とは、1998年長野五輪でのスピードスケート選での500m13位、1000m17位という惨敗の記録を受けてです。コンマ数秒を競う、熾烈なアスリートの世界。ただ、そのメンタルの鍛え方や保ち方は、一般社会でも十分に通用する、普遍的なものもあると思います。

もともと、私が政治家を志したきっかけは、日本の自殺者数の増加に衝撃を受けて、何か少しでも自分にできることはないかと思ってのことでした。

厚生労働省の発表では、自殺者数の推移は、平成10年から平成24年までは、14年連続で3万人を超えていましたが、平成24年に3万人を下り、平成22年以降は10年連続で減少しました。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年からはまた徐々に増加の一途をたどっています。

人が自分の命を絶つという重大な決意をする時、もちろん、気の持ちようだけではどうにもできない状況の場合も多々あると思います。ただ、自分のからだをどう使うのか、人生をどうデザインしていくのかは、やはり、心によって大きく左右されるということを、私は経験上で実感しています。今回は、そんな実体験から、マインドについて書いてみたいと思います。


・アスリートの自分でも、トラウマからの復活は20年かかった

長野オリンピックで“金メダル確実”と大きな期待を受けていた私は、惨敗の心の傷が癒えて気にならなくなるまで、20年程度かかりました。

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いや、今でも、まったく気にしてないわけではありません。もうスポーツ選手はとっくの昔に引退し、現在はまったく違う道を歩んでいても、オリンピックだけでなく一般の競技を見ていても、苦い記憶がよみがえります。

それでも強調したいことは、連勝連戦で勝ち続けていた時よりも、“どん底マインド”から這い上がろうとした時の自分の方が私は好きです。

今でこそ言えますが、長野オリンピックは最大の失敗でなく、宝物だと思っています。それは、向上心を失わず、努力を楽しめたからです。調子が落ちた時は、嘆くのではなく、素直に受け入れる。そして、新たな目標を立て直す。失敗があったからこそ、自分の人生はつながっている。どんな負けも悔しさも、活かそうと思えば活かせるのです。

長野五輪での失敗のあと、私は、次のソルトレイク五輪へ向けて挑戦しました。私の目標は明確でした。スランプというのは、何が悪くて調子が悪いのか、その原因がハッキリとわからない時に陥るものです。その時に、決してあきらめることなく、何が悪いのかを徹底的に究明し、自分の短所を克服するよう、やり続けることです。

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ですが、みなさんがご存知のように、ソルトレイク五輪でも、思うような結果は残せず、私はそれを最後に選手を引退しました。けれども、「あきらめずに、取り組んだ気持ちがあった」からこそ、今も人生で胸を張ってあらゆることに挑戦できるんだと思っています。


・目標は何度でも設定し直していいし、弱い自分を責めなくていい

 こう書いてみると、私が“どん底マインド”から立ち直ることができたのは

・結果も大切ではあるけれど、勝ち負けにこだわらない。
・人と自分を比べない。
・目標は何度でも設定しなおしていい。

というところにあるのかもしれません。

私の好きな考え方に、アメリカの教育者であるポール・J・マイヤーが唱える、積極的な「信念」と、消極的な「恐怖」は共存できないという「磁石の論理」があります。

成功の根本は、自分の夢と、夢に向かう心構えにあると思っています。自分の人生をデザインする時に、価値ある目標を掲げることは大切です。でも、そこに到達できなかったからといって、自分を責めなくていい。目標はまた立て直せばいいんです。それよりも、以前よりも少しでも何か成長した部分があったなら、ぜひ、褒めてあげてください。

今は政治という、まったく違う分野で活動している私ですが、当時の経験があったからこそ、何が起こっても、また頑張れる。日々、心から感じています。


堀井 学 拝

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