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0179 祝!本屋復活

僕は世界の中で一番本屋さんが好きな場所なんですが、最近ちょっと元気がないなあと思っていたら、中国ではまた違った動きがあるようですね。

上海で生活していると、プリントメディアに接することが極端に少ない。もちろん百貨店・ショッピングセンター等の商業施設では、宣伝カタログを作ったり、会員へDMを送ったりすることはあるが、頻度は日本より圧倒的に少ない。
これだけプリントメディアが少なくなっている中国・上海で、不思議なことに書店が増えている。日本でも台湾の誠品書店が進出し話題になっているが、ここ上海でも新しくオープンする商業施設には、かなりの確率で書店が入っている。小売のEC化率15%と日本の倍以上にECが利用されている中国で、なぜ今、実店舗の書店が増えているのか?
中国政府が取り組んでいる「全民閲読(全国民読書)」運動はなにも書店を増やすだけではありません。読書を推進する主なルートは、学校、図書館、家庭、書店です。学校は、どこの国でも同じだと思いますが、受験勉強が大事でなかなか本ばかり読ませるわけにもいかない。図書館について言えば、国家級の大きなものはあるのですが、コミュニティーには少ない。増やそうとしていますが、基本的には政府の仕事になります。家庭は、それぞれの事情や意識の違いもあって長期的な取り組みになるでしょう。書店なら、政府の支援をテコにして、ビジネスで動く。だから、「全民閲読」の目立つ拠点になったのです。
同時に、中国政府は書店をただの商売とは考えていません。文化の拠点です。ネットを通じた販売が便利だからといって、市場原理でどんどんつぶれるわけにはいかない。地方政府を中心に減税や補助金などで支援しています。博物館を作るには何年もかかる。しかし、書店ならより少ない支援で早く形になる。政治の実績をつくれます。

これらの記事を読んでいくと、どうも中国では政策として書店拡充を進めているようなのですが、その動きと最近の「映え」の文脈などが交差して、面白い書店がどんどん出てきているようです。

そういえば、最近「誠品生活」もオープンしましたし、

「文喫」も人気のようです。

こういった動きがさらに加速してほしいなあと思います。

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