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俺のおやじ、ミノル 【其ノ弐拾伍】  俺のおやじ、ミノルは 女子●●の〇〇を喰ったことがある(前編)

俺のおやじ、ミノルは
定年を終えても、働いていた。


前の会社から退職金がもらえず
またその会社は公的年金さえも払ってくれない

今でいうブラック企業みたいなところだったので
(神栖にある開成●印刷という会社であった。
今となってはどーでもいいが)


おやじは生涯現役という道を選んだ。

60を過ぎて通い始めた小さな印刷会社は
やはり鹿島方面にあったため、

おやじは朝7時頃に佐原駅に向かい
下総橘駅まで電車で移動し

そこからはやはり還暦を過ぎた老社長が
迎えに来てくれた車にピックアップしてもらい
月曜から金曜まで会社に泊まり込む、

という1週間を送っていた。


・・・・・・・・・・・・・・

そんなある月曜日の朝のこと。

おやじはいつものように
駅の階段を上って2番ホームへと向かい
銚子方面の成田線に乗った。

佐原には公立高校が2つと
私立の女子校がある。

その関係で、おやじの乗る電車からは
たくさんの高校生が降りてくる。

それと入れ替わるように
おやじは電車に乗り込むのだ。

シートは対面式の4人掛けで
(2人掛けの座席が向かい合わせになっているタイプ)

おやじはつい先頃まで高校生が座っていたと思われる
空いた4人掛けの座席に向かった。

と、シートの上に、なにやら
布で包んだものが置いてあるではないか。

ランチョンマットに包まれた
その物体は、弁当箱であった。
模様からして、明らかに「女子」のもの。


一体どうしたものか・・・!?


駅に届けても、果たして
本人の元にとどくかしらん?

なーんてことを考えているうちに
電車は扉を閉じ、出発してしまった。

どうするんだ、おやじ???


このシリーズ初の(つづく)


ぴーこ

実家にいた頃は、俺にはおやじはいるのか?と思うくらい、夜遅くまで呑みあるっていて顔を見る機会も少なかったおやじ、ミノル。晩年は缶ビール1本を飲むか飲まないか、というレベルの酒量でしたが、それでも楽しく嗜んでいたようです。おやじへの酒代として大切に使わせていただきます。