50歳を過ぎての転職と人生の転機について(その1)


はじめに

転職を目の前にすると、稼ぎと人生の豊かさという曖昧なものの間を行き来して頭を悩ませることは多いのではないだろうか。僕がまさにそうだった。

僕の場合はその両方をある特殊な比率で配合して、あてにしたり犠牲にしたりした。ありがちな悩みの一つなのかもしれない。しかしインパクトは大きい。

実際、僕の場合どう考え、どう行動して、どういう結果になったのか。ということを記してみようと思う。具体的な役に立つ部分もあれば、心情的過ぎて役に立たない部分もあるだろう。

まあ、この文章が、何かの役に立てばと思う。

特定の固有名詞を用いて説明することは避けたいができるだけ状況がわかるように書けたら嬉しいが、そうそううまく行かないかもしれない。

もし、興味を持ってくれた方がいたとして、僕の仕事という面から見てきた時これまで何をして、どんな立ち位置、考え方、環境におかれていたのかを簡単に記したいと思う。この前提があった上で、どう考えたのか、どう振る舞ったのか、ということがいるかもしれない読者に少しでも見えてくれば嬉しい。

今これを記す理由として、僕は同時にもう一つの転機を迎えている。この転機を迎えるにあたって、これまでどうだったのかの評価ができるかもしれない。また、それを踏まえてこれからどう行動すべきか僕にとっては考える機会になるかもしれない。そう思ってこれを記している部分はある。


僕について

僕は2020年の現在53歳になる。大学では情報処理を学び、まさにバブルの頃で大企業に就職した。ある意味、その時期のテンプレート的な人生を歩んできたのかもしれない。しかしその反面、常に自分に自信がなく、無理にでも自分をよく見せようとしてストレスを感じて無理に大量の仕事をしてきた。そのおかげもあり40前までは最も昇進も早かった。しかし私生活では既に二度の結婚に失敗し、三度目の結婚でも限界を感じていた。仕事では研究と開発の両面を守備範囲として、小さいが組織を回していた。しかし今考えると井の中の蛙そのものだった。

50歳を過ぎたときに、子会社に行かないかと声をかけられた。これで子会社に行かなければ、役職定年を迎える事になる。これ以上の昇進は望めないからだ。こういう仕組みは役所の人事システムと同じだとだけかが言っていた。昔の話なのかもしれない。そこで僕は初めて路線を外れることになった。子会社へ退職再雇用されることを選ばなかった。

そこから僕は自分の足で潰されそうになりながら今を生きることになった。


同世代の転職組に向けて。最初の一歩は

まず、僕はインターネットの転職サイトに登録した。

これは実は数年前から徐々に登録を始めていた。登録自体は簡単だ。メールアドレスの一つでもあれば十分だ。しかし大切なことが一つある。転職サイトには年代や第二新卒向けやそれぞれ得意分野があるということだ。これをきちんと事前に調べた上で複数に登録するのが良いだろう。

二つ目にしたことは自分の職歴と資格の整理だ。

転職サイトには職歴や、自己アピールや色々な文章を書く必要がある。実際、自分の職歴を書き下したり、資格のあれこれを記載するのにはそれなりに時間がかかる。この作業を甘く見ると痛い目に合うかもしれない。僕の場合は会社で定期的に考査に用いられていたら資料があったので何年に何をしたかという記録があった。こう言った資料は手元に揃えられるのであればそれがいいだろう。

ここで、自分の数十年の職歴は一体何だったのだろうと多くの人間は愕然とするのだ。客観的な自分の仕事の足跡が世の中に残っていることは僕と同じ世代の人間には難しいかもしれない。特に大企業に勤めた時点で僕らは大きな社会装置の部品となって、非常に大きい仕事の一部を受け持つ。

転職が成功した後、転職サイトのデータは全て自分の元からなくなることを知っておくべきだ。その意味では実際の面接前などのタイミングで履歴書、職歴の書類を作るので、自己アピールの文章などの履歴書には残らないデータどこかに保管すべきだ。

まずここが出発地点になる