兄 

先日の僕のロボトリップを最初に発見した人物は兄である。
13:00頃
彼は僕がフラフラになりながらトイレで尿閉に苦しんでいた時、たまたま通りかかった。学校帰りなので服を着替えるために彼はトイレ付近に来たのだろう。脱衣所はトイレの近くにあるのだ。
何故か彼はトイレの中にいる僕に
「おるんか?」と声をかけた。
きっと「ただいま」と言われたのに僕がそれに気付かなかったせいだろう。
すぐに「いるよ」と言ったが、おそらく呂律が回っていなかったため、疑惑は確信となった。
扉を開けて、洗濯機と洗い場を抜けて廊下へ出る
そこには仁王立ちした兄の姿があった。
ラリった目つきで完全にバレたことを確認したあと、この光景が幻覚であると思い込んだ。それが現実であるのにもかかわらず。
兄 「お前何してんねん」
僕 「何もしてない(クソ滑舌)」
気まずかったので部屋に戻った。兄は別段俺のことを追いかけなかった。
ふとんにぶっ倒れたとき、これが現実であることに気付いた。
しばらくすると枕元に兄が立っていた
ライブハウスに行く幻覚から目覚めたあとなので、頭の中では爆音で音楽が鳴っていた
兄の声はノイキャンのイヤフォンのように
霞んでいた
兄は語った。
僕のトリップのせいで両親の旅行がふいになったこと
前に何回も同じことを繰り返されて腹が立っていること
現状不満があるはずのない環境なのになぜまだ
薬に頼っているのかということ
色々話した。僕にはその時は理解できなかったが
今になって考えると本当に彼に苦労をかけたと思う。もうodはしない。ごめんなさい


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