『グラフィック認知心理学』を使う
こんにちは、本使いです!
今回使うのは『グラフィック認知心理学』です。
1 読んだら役に立つと思われる人
・認知心理学について知りたい人
・記憶について知りたい人
・誤解がなぜ生じるのかを知りたい人
2 この本の個人的に良かったところ3点
①記憶の種類についてより深く理解できたこと
②誤解が生じる理由がわかったこと
③記憶の基礎を見直せたこと
3 読んだきっかけ
この本を使ったきっかけは
先週使った『ビジネスマンのための「行動観察」入門』の中で、
仮説の根拠となる実験結果の引用元として紹介されていたからです。
引用されている以外にも仮説を作った時に、
仮説の精度を上げるヒントがあるのではという期待も込めて使ってみました。
4 本を使っての変化
本を使って大きく3つの変化がありました。
まず1つ目は、記憶が自分の中でよりはっきりしたことです。
記憶には3種類あり
①感覚記憶 視覚 数百ミリ秒、聴覚 数秒
②短期記憶 15~30秒
③長期記憶 ほぼ永久
さらに長期記憶は
③-1 手続き的記憶 自動車の運転の仕方
③-2 宣言的記憶 車をどこに止めたか
そして、宣言的な記憶には
③-2ーⅠ エピソード記憶 今日の昼に店で親子丼を食べた(時間的、空間的な文脈がある)
③-2-Ⅱ 意味記憶 親子丼には鶏肉と鶏卵を用いる(一般的な知識)
こうして記憶について書いていて、
長期記憶の中でエピソード記憶が実はとても少ないのでは?とふと思ってしまった。
エピソード記憶は増やすには今までしたことのないことをして、
自分だけが経験したエピソードを蓄積していくことが、
長期記憶を増やし人生を豊かにするように思えた。
2つ目は、誤解の生じるパターンしれたことです。
①音韻論的な誤解
方言で「あ!ほうかぁ(そうかぁ)」を「阿呆か」ととらえて馬鹿にされと思ってしまう。
同じ音を他の意味にとってしまう誤解。
②統語論的な誤解
女の子が犬を散歩させていた。そこへ猫が近づいてきて犬が吠え始めた。
そこで(犬が吠える原因はと意味で)「猫ですか?」と聞いたら、
「いいえ、犬です」と言われた。
主語や目的語の省略による誤解。
③意味論的な誤解
「その靴、高そうだね」と言われた。
値段のことだと思ったら、靴底の高さのことだった。
「高い」に多義性があったための誤解。
④語用論的な誤解
「考えとくわ」と冷たく言って断ったつもりだったが、
相手は文字通り受け取って、「どうするつもりか」聞かれた。
言葉としてはどちらにもとれることによる誤解。
誤解の種類を知ることによって
必要な言葉を付け加えることによって防げる。
もしくは、雑談の中でわざと誤解を招くようなことをいって、
からかいを生じさせて高度な言葉遊びを楽しむこともできそうに思えた。
最後の3つ目は、記憶の基本を見直せたことです。
記憶の過程は、
①符号化 シンリガクの感覚刺激を心理学として理解できる
②貯蔵 シンリガクを心理学として貯蔵する
③検索 それを思い出すように求められた時に心理学に変換して出力できる
言われてみればどれも当たり前な気がしますが、
これをもとに考えるといくつかの状態が考えられます。
1 符号化が出来ていなければ、意味はわからないまま。(意味がわかっていないので貯蔵するもの自体がない)
2 符号化されて意味がわかっても貯蔵がされていなければ、検索そのものができない。(検索する対象がない)
3 符号化されて貯蔵されていても、検索がうまくいかけれれば思い出せない。(何かひっかかるものがあるが思い出しきれない)
特に3はあれでしょあれといった人と話ながら、
それ特徴をあげながら記憶を思い出していくことは
誰にでも一度は経験のあることでしょう。
これらを逆転して記憶するものを増やすのなら、
きちんと理解し符号化して、
符号化したものに視覚的なものや特徴を追加して貯蔵しやすくし、
少し間をあけて繰り返し検索をして思い出す。
という極めて当たり前なことを地道にしていくことが、
記憶の王道なのだと改めて感じました。
5 おわりに
いかがでしたでしょうか?
気になった方は
『グラフィック認知心理学』を使ってみてはいかがでしょうか?
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