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読み続けているマンガ その2

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佐々大河『ふしぎの国のバード』(HARTA COMIX) KADOKAWA

現在は7巻目までコミックスが出ており、継続中です。
こちらもコミックスで出た当初から読んでいます。

横浜~東京~日光~新潟~北海道に渡りアイヌの人たちに合うまでの旅程を、主人公とその通訳「伊藤鶴吉」の目線から描いています。
※まだ、今はその旅程の途中です。

イザベラ・バードという主人公を通してみる日本がすごく興味深く、この頃の日本や人々の暮らしぶりを知ることができ、また美化して描きすぎていないところが面白いです。横浜や東京などの大きな町だけでなく、旅程で立ち寄る小さな村の、貧しく厳しい暮らしの現実をしっかり描いています。

どんな地域のどんな日本の人々に出会うのか、好奇心旺盛なバードさんと有能な通訳の鶴吉とのやりとりなど、実際の小説を膨らませて描かれていると思いますが、毎回楽しみです。

それと、この頃の海外の人たちの服装や暮らしぶり、物の考え方、なども知ることができます。
一つの民族の歴史が滅ぶ前に記録を残す、というのは
ある意味傲慢にも感じられます(歴史を変えようとしている張本人でもあるのだから)が、大きな歴史の流れを見ると非常に大事なことではあったと思います。

また、日本がこの先大きな世界と渡り合うためにはどうしたらいいのか、自身の未来と重ね合わせて考える人たちも描かれています。

バードさんの「旅行の意味」が、楽しいけれどしっかり読み手に伝わるように描かれているのは、素晴らしいなと思います。


このマンガを読んで「実在したんだ!」と、旅行家・探検家、ナチュラリストなどいろいろな肩書を持つイザベラ・バードの書いた
『日本奥地紀行』平凡社(文庫) も購入して読みました。

こちらはもっと歯に衣を着せぬ、その頃の海外の人たちの考え方や日本人に対する見方などがうかがえて興味深いですが、風景描写などは本当に詩的で美しく、バードさんの観察眼は素晴らしいと思います。

この本の半分くらいは、目的地だった北海道(蝦夷)のアイヌの人たちのことで埋め尽くされています。これは、日本にとっても非常に大切なアイヌ文化に関する書物のひとつだと思います。


最新刊、待ってます!!


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