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今だからわかる、カウンセラーさんからのメッセージ=自分史⑥=

当時のカウンセラーさんとやり取りの中で、オススメされた物たちのことをふと思い出しました。

映画:モナリザ・スマイル

女性は良妻賢母でいるべきという保守的な考えをベースに女学生たちを育成する大学に就任した、自分軸を持った美術教師の物語。生徒や大学側と反発しつつも、自分らしい生き方を自分で選択することの大切さが少しずつ学生の間にも浸透していく。


本:ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活

単身ニューヨークへ渡った著者が、自分の空間を自分の感性で少しずつ居心地のいいものに変えていくエッセイ。

カウンセリングに通っていた26歳くらいの私は、徐々に通う意味や大切さを理解し始めていながらも、いまだ”自分を置き去りにしないこと”を理解しきっていない状態でした。

なのでこれらを勧められて、手にしてみた当初は正直あまりピンとこない点も多かった気がします。モナリザ・スマイルは「素敵な物語だな」とは感じたけれど、自分とは無関係なあくまで「物語」。そして本に至っては「なぜわざわざ自分でキッチンのタイル張りをしたりするんだ?」と著者が楽しむためにやっていることに心を寄せられずにいました。

さて、カウンセラーさんは当時の私に何を伝えたかったのでしょうか。

いま映画を振り返って改めて感じたのは、盲目的に育てられている学生たちがまるで当時の自分のように見えるところ。自分の心の動きに蓋をして、大人たちの、そして世間の言うがままに歩を進めていこうとしている自分に疑問をもって、美術の先生や気が付いた後の学生たちのように誰に臆することなくのびのびと自分の道を歩んでほしい。そんなメッセージを受け取りました。

そして、本はまさに”今ここ”の大切さ。海外旅行に行くのも結構、素敵な未来を夢見ることも素晴らしい。でも一番大切なことは日々の幸せに気が付く力を培うこと。住まいを自分の心地いい空間にして、そうでない場合は自分なりの工夫でそれに近づけていく。その一歩一歩をかみしめながら、味わいながら積み上げていく。決して大きくきらびやかな、”インスタ映え”するようなものではないかもしれない。でも、それでもいい。まず自分を自分が幸せにするんだ。これは微力ながら、当時よりはずっと得意になった気がしています。

当時は感じ取ることができなかったカウンセラーさんからのメッセージ。
今こうして振り返り、やっと伝えたかったことが読み取れるようになった気がします。そう思うと、遠回りしたかもしれない、時間はかかったかもしれないけど悪くないな、そんな風に思います。また、こうして十年以上経っても振り返り何かに気が付くことができる。そんな”継続した力を持つカウンセリング”を受けられたことに改めて感謝の念を持ちました。

(続)

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