見出し画像

【11分で解説】読む力と地頭力がいっきに身につく 東大読書

今回ご紹介する本は、「読む力と地頭力がいっきに身につく 東大読書」です。

読む力と地頭力がいっきに身につく 東大読書


この本から得られること

東大受験に二度失敗した著者は、東大の入試問題が「自分で考える力」を重要視することに気がつきました。その力を伸ばすためにどうしたら良いか考えた結果、読書を“受動的”な読書から“能動的”な読書に変更しました。すると、飛躍的に「考える力」が向上し、無事東大に合格することができたそうです。この本は“能動的”な読書法について、実践方法や効果の面から細かく解説された本です。
この本からは、「本を読み込む力」と、「自分で考える地頭力」の2点を伸ばすポイントが学べます。「本は読むけどすぐに忘れてしまう」「何となく理解した気になって終わる」などといった方は、読書の姿勢をここから学ぶことで変化があるはずです。「自分で考えて結論を出せない」「その場で意見や疑問点が思い浮かばない」といった地頭力を向上させたい方は、どうすれば自ら結論を出し意見や疑問を投げかけられるかを学ぶことができると思います。
それでは解説していきます!


能動的な読書とは?

まず、「能動的な読書」とは一体どんなものか考えてみましょう。この本では「本と徹底的に議論すること」と定義しています。言い換えると「質問や疑問を自分で考えて、自分なりの結論を出しながら読書すること」です。
受動的な読書では、ただ単に情報やノウハウを見ただけなので、長期的な記憶の定着には繋がりません。読書している間は理解した気になりますが、読み終えた後すぐに忘れてしまったという経験がある人もいると思います。あれは読書が受動的であることが招いた結果です。
一方、能動的な読書を実践すると、読書で得られた情報に対して質疑を重ねるため、内容を深く理解できるようになります。加えて、自ら考えて結論を出すことができるようになるため、本に書かれている内容に対して意見や疑問点が浮かんでくるようになります。これこそが能動的な読書の効果で、読み込む力・地頭力が向上する理由だと言えるでしょう。


5つの力

では、能動的な読書を実践し、読み込む力・地頭力を高めるためにはどんな能力が必要なのでしょうか?本書では5つの力が紹介されています。順を追って説明していきます。


① 読解力

文章を正しく理解するために必要不可欠な能力ですが、いくら文章を読み慣れている人でも、全くヒントがない状況で完全に理解することは至難の業。なので、読み始める前から多くのヒントを取得し仮説を立てること、すなわち準備をすることが読解力向上の近道です。
読む前からヒントを得るには、本のタイトルや著者、帯のコメントなどから情報を集める必要があります。集めたヒントは、本を読み進めるための“コンパス”のような役割を果たしてくれます。
ヒントが集められたら、次はその本にどんなことが書かれているか仮説を立ててみましょう。仮説を立て本の全体像を想像することにより、本をマクロの視点で把握することができるようになります。仮説が“地図”としての役割となるイメージです。仮説作りは読解力向上に有効な手段ですので、ぜひ試してみてください。

② 論理的思考力

より深く文章を理解し論理の流れを読めるようになるために必要な能力です。ここで重要なことは、“読者”ではなく、“記者”になった気持ち・姿勢で読書すること。記者は、情報を正確に伝えるミッションがあるため、常に質問を投げかけながら前のめりに情報を収集します。この姿勢は、内容の理解促進に役立ちます。
本の著者は最後まで読んでもらうために、わざと質問が浮かぶような“穴”を本に残しておきます。質問が浮かぶ→それに対する答えを本の中で見つける→また質問が浮かぶ…と、本と対話しながら読んでもらうための工夫をしているんです。本は大体このような流れなっているため、質問を投げかけながら読み進めることで、本の流れがわかるというわけですね。
著者の主張に対して疑問を持ち追及しながら読書することもオススメです。「この主張は本当か?」と、主張の真偽を確かめるということですね。本の外に出て情報収集しないと結論は出せませんが、「自分で考えて結論を出す」というプロセスが重要ですので、この読書法も実践してみると良いでしょう。

③ 要約力

いきなりですがここで質問です。最近読んだ本、一言で表すとどんな内容でしたか?長くならないように一言でお答えください。…はい、ここでうまく答えられなかった方は、残念ながら本の内容を「わかった気になっている」だけです。著者が本当に伝えたいことが話せる=内容をきちんと理解できているので、要約して話せます。これが3つ目の力「要約力」です。
本当に伝えたいことを見つけるにはどうしたら良いのでしょうか?ポイントは多くありますが、一番簡単なのは文章の最初と最後に注目することです。大体の本は結論→説明→念押しの順番で記載されていることが多いので、最初と最後に注目することで、本当に伝えたいことをつかむことができます。
文章の流れを理解し整理しながら読むために、次の流れを推測しながら読んでみることもオススメです。例えば、次の章を読み進める前に、目次や章のタイトルを参考にしながら書かれている内容を推測するのです。その章を読み終えたら、要約した内容と、先ほど推測した内容を比べてみましょう。本の内容を詳細に理解することができたのではないでしょうか。

④ 客観的思考力

世の中多種多様な意見があり、様々な視点から意見を言えることが重要です。そのためには、立場を変えて考えられる「客観的思考力」を養う必要があります。
自分が学びたいことを複数の本からインプットすることで、客観的思考力を養うことができます。一つテーマを定め、そのテーマについて書かれている本を複数用意します。できるだけ主張が異なる本を用意することがポイントです。意識的に異なる意見を並行して読むことで、様々な価値観に触れることができるようになるというわけです。より深く内容を読解することができるようになるので、試してみると良いでしょう。

⑤ 応用力

ここまで学んできたことは、言うなればこの「応用力」を身に着けるためのものです。冒頭、「能動的な読書」は自分なりの結論を出しながら読書することとお話ししました。応用力が身に付けば、自分なりの結論を出すこと、すなわち能動的な読書ができるようになります。
応用力を高めるためには、アウトプットすることが極めて重要です。それはなぜかというと。「読解力」のパートで、記者は前のめりに取材をするから内容を深く理解できると説明しましたね。これはアウトプットするためにインプットの質が上がる典型的な例です。このように、アウトプットは様々な効果を与えてくれます。本の感想、要約、質問など、手段はなんでも構いません。繰り返しますが、肝心なのは「自分なりの結論を出すこと」です。


本は読み手によって得られる利益が変わる

人間は損をしたくない生き物ですので、できるだけ「良い本」を買おうとします。もちろん選書も大切ですが、何より重要なのは本の“読み方”です。ここまでの解説でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、本は読み方によって得られる利益が大きく変わります。どんなに良い本でも、議論しながら読まなければ得られるものは半減します。一方、どんなジャンルの本でも能動的な読書をして自分なりの結論を出せば、人生を変えるような一冊になる可能性があります。

今までの自分を変えたい方、この能動的な読書法を試してみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?