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【8分で解説】the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(後編)

「ビジネスマンならマスト!GAFAのビジネスとこれから私たちに求められるスキル(後編)」


はじめに

前編では、「ガーファ」つまりGoogle、Apple、Facebook、Amazonという世界の四騎士のそれぞれのビジネスについて具体的に何がどうすごいのかという点についてまとめました。

後編となる今回は、それぞれのビジネスを理解することで見えてきた四騎士の共通事項、それと、四騎士が支配する世界で平均的な能力しかない私たちが生きるために必要なスキルについてまとめたいと思います。


四騎士に共通する要素

前編で四騎士のビジネスについてまとめましたが、それを聞いてお気づきでしょうか。
彼らは、私たち人間の、欲しい!贅沢したい!幸せになりたい!知りたい!という本能をターゲットにしたビジネスになっているのです。人間の欲求や衝動をうまくコントロールして、たしかに私たちは気持ちよく、そして自然に彼らのサービスを使っています。そして本書では、この四騎士には8つの共通する要素があると言っています。

その8つとは、”商品の差別化”、”ビジョンへの投資”、”世界展開”、”好感度”、”垂直統合”、”AI”、”キャリアの箔づけになる”、”地の利”というものです。この中でも特に四騎士らしさが出ていると私が思ったものが、”ビジョンへの投資”と、”AI”です。

まずビジョンへの投資ですが、彼らは株主に対して利益をもたらすだけでなく、将来のビジョン、わかりやすくいうと「夢」を見せるということをしています。Googleは地球上の情報を整理するといい、Facebookは世界をつなぐといい、Appleには多くのイノベーティブな製品群でそれを示し、Amazonはドローンの配送だけでなく空飛ぶ倉庫とまで言ってしまう。株主にはそのビジョンに共感してもらうことで、失敗に対して寛容になってもらっているのです。だからこそ彼らは、リスクのある大きなチャレンジを繰り返すことができているのです。

彼らに共通するもう一つの特徴はAIです。彼らの持っているデータの量は想像を超える程に膨大です。Googleは日々35億回も人々からの検索を受け付けることで、今地球上にいる人間の興味関心悩みや苦悩などの情報を、Facebookは利用者10億人もの特定個人のプライベートデータを、Amazonは3億人以上ものクレジットカードの情報に加え、個人の好きなものに関する情報を、Appleはその個人がどのメディアをよく使っているか、またここ数年で日本でも展開が始まったApple Payの情報は私たちの日常の行動を覗き込んでいます。

そして、最も重要なのは、彼らはそれらのデータを活用するスキルがあるというところです。これまでの企業と彼らの大きな違いはそこにあると言ってもいいでしょう。言い換えれば、彼らはそのデータを活用するところがビジネスの中枢となっているのです。
今でこそ情報に価値があり、それがビジネスになるということは一般的になりましたが、彼らはほんの少し先に気づき、しっかりと理解していた結果がこの差を生んだのかもしれませんね。


四騎士が支配する世界で生きるためのスキル

さて、そんな四騎士が支配するこの世界は、私たちの生活に大きな変化をもたらしてくれましたが、それが必ずしもいい方向に向っているというわけではないかもしれません。超優秀な人にとってはもちろん最高の時代かもしれませんが、私を含め多くの平均的な人たちにとっては最悪の時代となる可能性があるのです。

それはなぜかというと、これまで多くの雇用を生み出してきた従来のイノベーション企業と違い、この四騎士は多くの雇用を破壊しているからです。デジタルの世界で、グローバル化とAIが組み合わされ、少人数で圧倒的な市場シェアを獲得でき、勝者総取りの図式が成立してしまう恐ろしい世界を作り上げているのです。

ではそんな世界でも生き延びるために必要なスキルとはなんでしょう。本書ではいくつかのスキルについて書かれていますが、その中で私が最も重要と思ったのが、心理的成熟、好奇心、当事者意識といった内面的要素です。

心理的成熟というのはつまり、子供のように甘えていてはダメだということ。強い自意識をもって、ストレスがある状況でも落ち着いた振る舞いができ、冷静に判断できる能力です。
そして、今日うまくいったことが明日には時代遅れになってしまうほどの激流の世の中ですから、常に新しいものに興味をもち、くだらなくてもたくさんのアイディアを試せるということが必要となります。そのためには強い好奇心が必要です。
当事者意識というのは、仕事やプロジェクトは他人のものではなく自分のものだと考えられる能力です。

これら3つをまとめると、すなわち、これまでの企業で生きるいわゆる組織人ではダメで、1人でどんどんいろんなものにチャレンジし、自分の役割の範囲などを考えず、1人で判断、完結できる人間が求められているということがわかります。
上司の指示がないと何をしたらいいのかわからず、与えられた仕事だけをきっちりと終わらせたら、次の指示を待つ、そんな働き方ではもう四騎士の餌食となって終わる、ということですね。

かつてないほど人材と資本が一点に集中しているこの世界は、この先どこに行き着くのか、その答えは本書にも書かれていません。ただ、四騎士と同じ土俵で真っ向勝負をするのではなく、四騎士をうまく活用し自分の得意な領域でビジネスに活かすべきだと書かれていて、そういうことからも、これら四騎士について十分理解することが絶対に必要だということがわかりました。

是非本書を手に取って、四騎士のもっと深い部分について触れてみてください。

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