[書評]孤独の意味も、女であることの味わいも

良い本なので、ぜひ多くの人に読んでみてほしいと思うので、大したことは言えないながらも、書評を残すことにした。

文庫化されたし、来月にはゲンロンカフェで刊行記念イベントもあるので予習も兼ねて?読んでみたのだ。

三浦さんは最近、すごい勢いで叩かれている。とにかく、すごい。他人事ながら心配になるほどだ。右からも左からも、男性からも女性からも、散々。コメンテーターや議論している以外の三浦さんを、ぼくは観ているから、多少の人間らしさを知っているが、明らかにセレブのような振る舞いが、女性らしさが世間から恨まれるのはよくわかる。しかし、この本にあるのは素の状態の人間らしさだった。もちろん、特殊な環境だし、才能だし、私とは違うとも思えばそうだろう。しかし、自己に置き換え可能な筋の飾りにすぎない。また、三浦さんがなぜ今に至ったのかが少しだけわかる。

重たい部分もあることは聞かされていたが、それはその通りであるし、受け止めることなのだけれど、ナルニア好きの三浦さんだからなのか、あるいは「自分を突き放し、他人のように眺めることもできる」とあるような才能ゆえか、おとぎ話のお話のようにして進んでいくストーリーは、なぜか物語りを読み聞かせるように書かれており、とても文章の上手さを感じた。ときおり使われる擬音や子どもっぽい表現も、この人の人間らしさや愛情の表現なのだなと思った。

男性にとっての女性というのはわからないものだ。それは皆わかっており、女性にとっての男性もまたわからないだろう。わかっているという人に限って、単なる間違いをするだけだし、ある一面だけわかった気になっているだけで、そこに至ったプロセスや多義性まではわからない。ぼくもわからない。

でも、わからなくて当然で、それで良くて、その上で自分を大切にして欲しいとする本文の表現は印象深い。

なお、女性性の部分については書けるほどの知識も感覚も持ち得ていないので書くのは避ける。

#三浦瑠麗  #孤独の意味も女であることの味わいも 

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